豪中銀、金利の道筋を決めるのは時期尚早=総裁

豪準備銀行(中央銀行)のブロック総裁(写真)は10日、メルボルンで講演し、金利の道筋を決めるのは時期尚早だと述べた。昨年8月撮影(2025年 ロイター/Tracey Nearmy/File Photo)
[シドニー 10日 ロイター] - 豪準備銀行(中央銀行)のブロック総裁は10日、メルボルンで講演し、金利の道筋を決めるのは時期尚早だと述べた。米通商政策の影響を忍耐強く見極める必要があるとしている。
今後、市場や経済が不安定な局面に入ると警鐘を鳴らしたが、国内金融システムは海外からのショックを十分吸収できる状態にあるとの認識を示した。
トランプ米大統領は9日、貿易相手国に対する相互関税について、国・地域ごとに設定した上乗せ部分を90日間停止すると発表した。一律10%の基本関税は維持する。同時に、中国に対する追加関税を125%に引き上げ即時発効すると発表した。
総裁は「こうした諸々の要素がどのように展開するかを見極めるにはしばらく時間がかかる。予測不可能性が増したため、グローバルな需要と供給にどのような影響が出るか、忍耐強く見極める必要がある」と発言。
現時点では2008年などと同程度の市場への影響は見られないと述べた。
「われわれは不確実性をこれ以上増やさないよう配慮している。そのため、金利の道筋を決めるのは時期尚早だ」とし「動く要素がたくさんある。物価の安定と完全雇用という2つの使命を引き続き重視している」と述べた。