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ストレス耐性は就学前に決まる? 産業医が見た「ストレスに強い人」が共有する経験

2019年11月6日(水)16時10分
武神 健之(医師、医学博士、日本医師会認定産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事) ※東洋経済オンラインより転載

きっと彼・彼女らは、子ども時代に好きなことをやり続けている中で、知らず知らずのうちに、まじめに集中すること、体を動かすこと、他人と協調すること、試行錯誤すること、転んでも起き上がることなどを身に付けたのでしょう。

ストレスに強い大人に育つかどうかは、親次第

非認知能力に長けた社員と、その親との関係性においても、気がついたことがあります。

概して、そのような親は子どもを過保護に育てず、一方、子どもは幼少のときよりさまざまな体験と多くの人と接する機会を与えられ、好きなことに没頭することを応援された環境で育っているという共通点がありました。

ここでは親のストレスコントロールが重要になります。

例えば、サッカーにはまっている小学生の男の子や、コーラス部活動に忙しい中学生の女の子が、家に疲れた顔をして帰ってきたとき、「いつも頑張っているね、お疲れ様。宿題も頑張ってね」と言うか、「疲れていても宿題だけはやるんだぞ!」と言うか、これは親次第です。

また、サッカーの試合で負けた、コーラスの大会で敗退したなど、このようなときに、子ども自身が頑張っていたことを承認し、ねぎらい、次につながるような気分転換になる言葉をかけることは、大人自身に余裕がないとできません。

大人自身がストレスを上手にコントロールできていないと、その余裕のなさは子どもに伝染し、余裕がないゆえに子どもに優しく接することができません。

現在の大人たちがこのようなことを認識し、未来の大人たちがストレスに上手に対処できようになれるよう、関わってほしいと思います。



※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
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