最新記事

サイエンス

交尾をめぐって噛みつき合う、暴力まみれのサメの日常

Great White Shark With Massive Bite On Head Was Attacked By Even Bigger Shark

2019年10月18日(金)14時10分
カシュミラ・ガンダー

オスの「バイミー」の頭部には他のサメに噛まれた大きな傷が2つあった Ocearch/R.Snow

<同じ種類のサメ同士の「共食い」もある......海の中では日々サメの死闘が繰り広げられている>

体重450キロを超えるそのオスのホホジロザメは、おそらく交尾をめぐって他のオスと争いになり、頭を噛まれた――。

海洋生物を研究するNGO団体「オーサーチ」は今週14日、オスのホホジロザメ「バイミー」の写真を公開した。バイミーは、アメリカ北東部沖の北大西洋で捕獲され、その後タグを付けて海に放された。

オーサーチは、海の食物連鎖の頂点に立つホホジロザメなどの海洋生物について、行動を追跡してデータを集積し、生態を調べている。

「ホホジロザメは厳しい世界で生きている。何が証拠かって? バイミーの頭の傷を見れば分かる」とオーサーチのフェイスブックの投稿には、10月4日の調査で撮影された写真と共にコメントが書かれている。

バイミーの頭部には2つの傷があり、「1つはもうだいぶ治っているが、もう1つはまだ新しい傷だ」という。

サメの位置情報を提供

オーサーチのサイトには、サメの位置情報を表示するページもあり、誰でもバイミーの行動を観察することができる。

バイミーの全長は3.9メートル、体重は528キロ。通常のホホジロザメは4.6~6メートルまで成長するので、それに比べればやや小さい。

頭部の傷の歯形や顎の大きさから推測すると、バイミーを襲ったのは少なくとも60センチ以上は大きいサメだと、オーサーチのクリス・フィッシャーは話している。「バイミーが頭全体を噛まれたことははっきりしている」

治りかけの下顎を噛まれた傷跡はおそらく昨年の傷だと、フィッシャーは言う。「噛みついたのは全長3.7メートルをゆうに超えるとても大きな生物だ。こんなに大きなサメの頭に噛みつくなんて凄まじい」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中