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香港デモ香港行政長官「逃亡犯条例の撤回、中国は尊重・支持」
香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム・写真)行政長官は会見し、「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を中国が「理解し、尊重し、支持している」とし、今回の措置で香港が社会不安から「前進」し、政治危機の解決につながることへの期待を示した。同日香港で撮影(2019年 ロイター/AMR ABDALLAH DALSH)
香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は5日会見し、「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を中国が「理解し、尊重し、支持している」とし、今回の措置で香港が社会不安から「前進」し、政治危機の解決につながることへの期待を示した。
長官は前日、香港の大規模抗議活動のきっかけとなった逃亡犯条例改正案を正式に撤回すると表明した。
正式撤回の表明を受けて、抗議活動者や一部の議員からは早くも、遅きに失した対応で、事態収拾には不十分だとの批判が出ている。
長官は、正式撤回になぜこれほど時間がかかったのかとの質問には答えず、「今回の措置を心変わりと表現するのは正確ではない」と述べた。
条例案の正式撤回について長官は、中国政府の支持を得て香港政府が決定したと発言。「すべてのプロセスにわたって、中央人民政府は、なぜ撤回が必要かを理解しているとの立場をとった。中央政府は私の見解を尊重し、一貫して私を支持してくれた」と語った。
長官は、条例案の正式撤回のほか、現在の混乱の原因となっている根強い経済・社会・政治問題を話し合う市民との対話の枠組みをつくる方針なども示した。「社会の不満に対処する方法を模索し、解決策を探る必要がある」と述べた。
条例案の撤回は、デモ参加者の「5大要求」の1つだった。他の要求は、抗議活動の暴動認定の取り消し、逮捕された抗議者の釈放、警察の対応を調査する独立委員会の設置、民主的な選挙の実現。
デモ参加者はすべての要求を満たすよう求めており、特に独立委員会の設置を重視しているが、長官は5日、既存の独立警察苦情審議会の調査で十分対応できると主張した。
香港大学で抗議デモに参加している学生の1人は「我々は皆、政府と警察が生み出した人道上の危機に苦しんでいる」と発言。デモ参加者は「人間の鎖」をつくり「5大要求、不可欠」「香港に自由を、現代の革命を」と叫んだ。
7日には再び空港で抗議活動が予定されている。
中国政府系の英字紙チャイナ・デーリーは5日、デモ参加者にはもはや暴力的な行為を継続する理由はないと論じた。
長官は5日午後に中国の広西チワン族自治区に向かう。
※内容を追加しました。
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