「パパ活」という言葉はマーケティング会議の中で生まれた
なお、パパ活をする女性は一般的に「交際クラブ」に登録して相手を見つけるのだそうだ。
パパ活で稼いだお金は、自己投資にも使いたいと玲香さんは意気込む。
「経験だけは奪われないので、旅行とかも行ける時は行くようにしています。勉強も含めて、自分のために使おうとメッチャ考えています。
1000万円の貯金がある女は、それを目当てに男が寄ってくるけど、1000万円を自分に投資した女は、男から『身一つで来い』と言われる、という格言を聞いたことがあるのですが、その通りだなと思います。与えた分は返ってくると思うし。稼いだお金をホストにつぎ込む人もいますが、それは勿体ない。全部自分に使いたいです」(22~23ページより。19歳の女子大生)
クラブで出会う男性の大半は既婚者で、独身の男性はほぼいないという。既婚者と交際することに対して、罪悪感はないのだろうか。
「罪悪感は......ないです。お会いしている方がおおむね50代だから、ということもあるかもしれません。相手の男性がまだ30代だったら、奥様に申し訳ないと感じます。女性は30からが華じゃないですか。30を超えてからいい味が出るので、その時期は奥様だけを見ていてほしい。『家族の仲は良いけれど、妻とはもう長年性生活がない』という男性の方が、お付き合いしていて楽ですね。
交際クラブを利用している既婚男性の気持ちは......多分寂しいから、なのかな。50代くらいになると、奥さんとの性的な関係もなくなりますよね。妻以外の女性と非日常を味わいたい。でも風俗のように、ただやるだけの場所には行きたくない。一緒に食事して、それから『この後どうですか』と言えるような関係をつくりたいのではないでしょうか。
(中略)
「パパ活が流行っている理由は、需要と供給の一致です。女性は身体と時間を提供する。その見返りとして、男性はお金を提供する。もうバッチリじゃないですか」(75?76ページより。32歳のモデル)
パパ活で稼いだお金を自己投資に使いたいという意見は、ポジティブであるように思えなくもない。が、それは現実的に「女」であることを(肉体も含め)武器にして稼いだお金だ。「女性は30からが華だから、その時期は奥様だけを見ていてほしい」という考え方もごもっともかもしれないが、個人的には「アンタに言われたくない」と感じてしまう。
そんな理由があるからこそ、「恋人でも、妻でも、愛人でもない関係を」などという都合のいい考え方を前提とされると、すごく疲れてしまうのだ。
もちろん私も愛されたいと思っているし、人並みに性欲はある。でも、パパ活している女性を相手にしようなどとは思わない。むしろ、そういう人は嫌だ。自分らしさを活かしながら、日常生活の中ですれ違う女性を対象にしたいと思う。
それが男としての技量ではないかと考えるからだ。交際をする以上は嘘をつきたくないし、だからこそ、恋人でも妻でも愛人でもない「第四の関係」を求めて交際クラブのドアを叩くという男性の考えは、都合のいいものとしか思えない。