シンガポール国旗引き裂くデザインで炎上 インド人がFaceBookに投稿し警察が捜査へ
過去にはシンガポール選手の水着が物議醸す
シンガポール国旗の服や衣装への利用を巡っては2010年に中国・広州で開催されたアジア大会に出場した男子水球シンガポール選手が着用した水着が物議を醸したことがある。
シンガポール国旗は上半分が赤地で下半分が白地と分かれ、上部赤地の左側に三日月と5つの星が白抜きで描かれている。
この国旗の月と星の部分をあしらった男子の水着では三日月部分が前面中央に縦に配置されたことから「セクシー」「恥ずかしい」とシンガポールのみならず中国でも話題となった。
当時シンガポール情報通信芸術省は「事前に照会があれば不適切なデザインだと忠告したのだが。デザイン制作に際して政府の国旗に関する勧告を無視した結果だ」と報道声明でデザインとデザイナーを批判した。
政府の怒りを誘ったことでデザイン選定にも関わった水球チームの監督は「国旗を侮辱する意図など全くなかった」と謝罪に追い込まれた。しかし、大会規定でユニフォームのデザイン変更の締切期限を過ぎていたため、選手はこの水着で競技を続けざるを得なかったという。
この事案はシンガポール選手団という自国民が起こした問題だけにこれ以上の騒動には発展しなかった。しかし外国人がこうしたデザインの服や衣装を着用したり利用したりすれば、政府はここぞとばかり執拗にその変更や廃棄そして謝罪を求めていただろうとも言われ、シンガポール政府はさぞ苦い思いをしたといわれている。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
2025年2月11日号(2月4日発売)は「中国経済ピークアウト」特集。人類史上かつてない人口減で「アメリカ超え」に赤信号 [PLUS] DeepSeekの実力
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら