イスラエル、ヒズボラへの攻撃も拡大 レバノン停戦脆弱

イスラエルはレバノン南部で親イラン武装組織ヒズボラに対する攻撃を拡大させており、ここ数日で5人のヒズボラ構成員が死亡した。写真は18日、イスラエル・レバノン国境付近で撮影(2025年 ロイター/Avi Ohayon)
[ベイルート 18日 ロイター] - イスラエルはレバノン南部で親イラン武装組織ヒズボラに対する攻撃を拡大させており、ここ数日で5人のヒズボラ構成員が死亡した。イスラエルがパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスを標的とした大規模な攻撃を再開する中、イスラエルとヒズボラの停戦の脆弱性も浮き彫りになっている。
イスラエル軍は今月15日以降、5人のヒズボラ構成員を標的にレバノン南部で3件の攻撃を実施したと表明。レバノン治安筋によると、18日もイスラエルによる攻撃があり、2つの集落で避難民のための居住施設が破壊された。
イスラエルによる攻撃の増加を受け、レバノン南部の平和維持を担う国連レバノン暫定軍(UNIFIL)報道官は「平穏を乱す可能性のあるいかなる行動も避けるよう、全ての関係者に強く求める」とした上で、イスラエル軍に対し2000年に国連が定めた撤退ライン「ブルーライン」の南側への完全撤退を改めて呼びかけた。
ヒズボラの対応について専門家は、シリアのアサド政権崩壊によりイランからの陸路での補給路が断たれたことなどを踏まえると、イスラエルへの攻撃を決断するにあたり慎重にならざるを得ないと指摘。「今のところ、ヒズボラは反撃を控え、決定をレバノン政府と軍に委ねる姿勢を示している」と述べた。