フィッチ、ドイツのAAA格付けに警鐘 「持続的な成長不可欠」

3月18日、フィッチ・レーティングスは、歳出拡大が財政再建策によって相殺されない場合、あるいは持続的な成長の改善につながらない場合、ドイツの最高ランクの信用格付け「AAA」が長期的には圧力にさらされる可能性があると指摘した。写真は、夜の欧州中央銀行(ECB)本部(写真中央)。2021年3月、フランクフルトで撮影(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
[ロンドン 18日 ロイター] - フィッチ・レーティングスは18日、歳出拡大が財政再建策によって相殺されない場合、あるいは持続的な成長の改善につながらない場合、ドイツの最高ランクの信用格付け「AAA」が長期的には圧力にさらされる可能性があると指摘した。
独連邦議会は18日、財政規律を緩和する憲法改正案を可決。経済成長の回復と欧州集団防衛のための軍事支出拡大に向け、数十年にわたり維持してきた保守的な財政方針を転換した。
フィッチは「より広範な経済改革の程度と、2025年末までにさらなる改革を計画している債務ブレーキの将来の形」が重要とした。
追加支出は今後10年で9000億ユーロ─1兆ユーロ(9809億1000万ドル─1兆0900億ドル)に達し、国内総生産(GDP)の20%強に相当すると指摘。財政赤字は27年までに昨年の対GDP比2.6%から4─4.5%に上昇、債務はGDPの70%とAAA格付けの国々の中で最も高い水準になると予想した。
「追加支出は成長を支え、競争力を強化するが、それだけでは長期的な成長見通しを大幅に改善することはできない」とし、構造改革と競争力のある分野への転換が必要と分析した。