インドネシア中銀、予想通り再び金利据え置き なお追加緩和余地

3月19日、インドネシア中央銀行は市場予想通りに政策金利を2会合連続で据え置いた。ジャカルタの同中銀前で2019年1月撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)
Gayatri Suroyo Stefanno Sulaiman
[ジャカルタ 19日 ロイター] - インドネシア中央銀行は19日、市場予想通りに政策金利を2会合連続で据え置いた。
主要政策金利の7日物リバースレポ金利は5.75%のままで、ロイターが調査したアナリスト31人中19人の予想通り。世界的な貿易戦争や政府の財政政策への懸念を背景に国内市場が混乱する中、その他アナリストは利下げを見込んでいた。
翌日物預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利もそれぞれ変わらず。
通貨ルピアは中銀決定に反応薄。1ドル=1万6520ルピアと、5年ぶりの安値付近で推移している。
ペリー・ワルジヨ中銀総裁は記者会見で、インドネシアのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を踏まえれば通貨は強くなるはずだとしつつ、テクニカル要因により圧力を受けていると指摘。「今後も引き続き、ルピアの動きを考慮しながら、インフレと経済成長の見通しを観察し、利下げ余地を生かしていく」と述べた。
中銀は2025年の経済成長率見通しを4.7─5.5%に据え置いた。
三井住友銀行のエコノミスト、阿部良太氏は「世界貿易・経済、インドネシアの政治情勢を巡る不確実性は依然として高い水準で推移し、新興国市場も当面は不安定な状態が続くと思われる中、中銀が25年に金利を引き下げられるのは1回だけだろう」と述べた。