イスタンブール市長を拘束、エルドアン大統領の政敵 野党反発

3月19日 トルコの検察当局は19日、エルドアン大統領の最大の政敵であるイマモール・イスタンブール市長(写真)を汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で拘束した。写真は1月31日、イスタンブールで撮影(2025年 ロイター/Dilara Senkaya)
[イスタンブール 19日 ロイター] - トルコの検察当局は19日、エルドアン大統領の最大の政敵であるイマモール・イスタンブール市長を汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で拘束した。
主要野党の共和人民党(CHP)は20年以上にわたり権力の座に就くエルドアン氏への対抗馬として、イマモール氏を次期大統領選候補に近く選ぶ予定だった。CHPは「次期大統領へのクーデター未遂」だと反発している。
イスタンブール市長を2期務めるイマモール氏を巡っては、犯罪組織への関与、贈収賄、入札不正などの容疑で2つの捜査が行われていた。同氏はXで公開した動画で、圧力に屈することなく諦めないと述べた。
イスタンブール検察は声明で、市当局の入札に絡む犯罪に関与した容疑者がジャーナリストや実業家など計100人に上ると発表。また別の捜査で、イマモール氏とその他6人がトルコと西側同盟国にテロ組織と指定される武装組織クルド労働者党(PKK)への支援容疑で起訴されたと発表した。
イスタンブール大学は18日、イマモール氏の学位を不正行為を理由に抹消したと発表。トルコでは大学の学位がなければ大統領選に立候補できない。
イマモール氏は54歳。イスタンブール市長として人気が高く、一部の世論調査では支持率でエルドアン氏をリードしている。
同国では野党関係者に対する法的な取り締まりが全土で強化されており、野党を封じ込める政治的な意図があるとの批判が出ている。
エルドアン政権は裁判所への政治的圧力を否定し、司法は独立していると主張している。
エルドアン大統領は現在2期目。次回の大統領選は2028年に行われるが、3選は禁止されている。エルドアン氏が出馬を望む場合は、大統領選を前倒しして2期目の任期を全うしていないと主張するか、憲法を改正する必要がある。