ハッカー部隊? 核疑惑?の北朝鮮資本ホテルが、中国のホテルとして復活
中国企業が運営する中富国際ホテルとしてグランドオープンする旧七宝山ホテル
<中国・瀋陽にある、いわくつきの中国・北朝鮮合弁ホテルが、運営会社を変え中国のホテルとして復活しつつある>
今年1月に営業停止していた中国唯一にして最大の中朝合弁ホテル「七宝山ホテル」(瀋陽)が、運営会社を変え「中富国際ホテル」として今月末にグランドオープンする。
昨年9月、中国政府は国連制裁に従って、履行期限最終日に旧七宝山ホテルの営業を停止していたが、1月末に登記された新しい法人を新たな経営会社として、5月1日にひっそりとソフトオープン(試営業)していた。
七宝山ホテル(正式表記は、七宝山飯店)は、2000年に当時、中朝最大規模のジョイントベンチャーでオープンした15階建て150の客室を持つ中朝合弁ホテルだ。当時の瀋陽は、大型ホテルが少なかったため目立っていたが、瀋陽の急速な経済発展で周辺に高層ビルや高級ホテルが増えたため輝きを失いつつあった。
そこで、2011年に半年ほど営業を完全停止して大リノベーションを実施した。その際に、故金正日総書記が客室の調度品にいたるまで細かく指導したとされる。2011年12月にその金正日総書記が死去したために、再オープンは延期されたが、翌12年1月末にリニューアルオープンをした。
リニューアルされた七宝山ホテルの内装は、中国人好みの鏡のような光沢があるきらびやかな豪華デザインとなり、4つ星にふさわしいホテルとして生まれ変わっていた。以下はその当時の写真だ。
七宝山ホテルに北朝鮮のハッカー部隊?
七宝山ホテルが注目されるのは北朝鮮資本のホテルということだけではない。この場所から南へ徒歩7分も歩くと日本領事館や北朝鮮領事館などがある領事館エリアがあるのだが、この七宝山ホテルは、第2の北朝鮮領事館的な役割を果たしていたとされるからだ。
瀋陽や丹東、大連などで活動している北朝鮮人が配る会社の名刺に書かれるメールアドレスへ送ると一度、七宝山ホテルと思われるメールサーバーのIPを経由することが確認されている。そこで開封されて北朝鮮へ転送される仕組みだった。