ハッカー部隊? 核疑惑?の北朝鮮資本ホテルが、中国のホテルとして復活
そのため同ホテル内に北朝鮮のハッカー部隊がいるという話が度々メディアで取り上げられた。裏取りが難しい話ではあるが、北へのメールは同ホテルを経由していたことは事実のようだ。
核開発関与疑惑で拘束された美人経営者が経営
七宝山ホテルが注目される理由はもう1つはある。それは中国側のパートナーが「鴻祥集団」だったからだ。 鴻祥集団は、美人経営者として話題になった馬暁紅氏が代表を務めていた会社だ。その馬氏と同社は、北朝鮮と核関連物質を取引したことを理由に2016年9月にアメリカから独自制裁を受けている。
アメリカから独自制裁対象になる直前の2016年8月に馬氏は拘束されている。中国国内で報じられている馬氏の容疑は、核などの密貿易ではなく脱税という軽微な罪だ。にもかかわらず中国がアメリカの目を意識してか現時点でも軟禁状態が続いている。代表が拘束されたあとも七宝山ホテルは、何事もなかったかのように営業を続けたことになる。
北朝鮮とは関係ない、というが......
中富国際ホテルとして正式オープンする直前の今月中旬、瀋陽の旅行会社代表がホテルを視察した。フロントがある1階は、七宝山ホテル時代のまま居抜きで使っているようだ。新しい運営会社は北朝鮮とも鴻祥集団とも一切関係なく、スタッフは全員中国人だと力説する。
かつて2階にあった北朝鮮レストラン(以下、北レス)「玉流館」は完全閉店し、焼肉店としてリニューアルの工事が進んでいた。玉流館は、もっとも華麗かつ優美な北レスとも称された高級店だったがすでに見る影はない。
北朝鮮とは無関係だと主張する現運営会社だが、1階には七宝山ホテル時代からあった北朝鮮唯一の航空会社「高麗航空」と、北朝鮮ですべての日本人旅行者を担当する「朝鮮国際旅行社」のオフィスがそのままテナントとして同じ場所で営業している。
これらが継続して中富国際ホテル内に残っているところを見るとかつて中継点として使われていたという北のメールサーバーなどもそのままの可能性も捨てきれない。
4つ星や5つ星など中国のホテルランクは国際基準とはまったく異なる中国の独自基準で等級付けされるのだが、中富国際ホテルは外国人も宿泊できる4つ星ホテルだ。しかしその実態は、不透明な状態が続きそうだ。