米大使館エルサレム移転にパレスチナ人が決死の抗議、死者58人
エルサレムへの大使館移転を決定したことで、アメリカは人権侵害を煽っているとする、という批判もある。
「トランプ政権は今回の移転を、一つの建物から別の建物への引っ越しに過ぎないと思っているかもしれない。だが実際は、意図的にパレスチナ人の権利を損なうものであだ。イスラエルによる違法な入植を含め何十年にも及んだ権利侵害を容認するものだ」と、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの中東・アフリカ問題担当ディレクター、ラーイド・ジャラールは声明で述べた。
トルコと南アフリカは14日、ガザ地区での暴力に抗議して、駐イスラエル大使を本国に召還すると発表した。
再び標的になる危険
ホワイトハウスは、新大使館の開館によって、アメリカがイスラエルとパレスチナの和平交渉を仲介する能力に影響が及ぶことはないと主張する。
「我々は引き続き、イスラエルとパレスチナの間で恒久的かつ包括的な和平を推し進めることに尽力する」と、マイク・ポンペオ新国務長官は語った。「国務長官として初の外遊でイスラエルを訪れることができたことを、嬉しく思う」
イスラエルとパレスチナの和平交渉は2014年のガザ侵攻以降、こう着状態にある。5月14日のデモとイスラエル軍の衝突は、それ以来で最悪の流血の惨事となった。
特定の国の外交政策に抗議する方法として、大使館が狙われて攻撃されることはよくある。アメリカの場合は過去10年で、アフガニスタン、トルコ、リビア、エジプト、イエメンとパキスタンの大使館が攻撃の標的となってきた。
(翻訳:森美歩)
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