最新記事

ロヒンギャ

ゾウに踏み潰されるロヒンギャ、すみかを追われて感電死するゾウ

2018年3月7日(水)16時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Arakan Times-YouTube

<ゾウの難民襲撃を伝える報道の裏で、ゾウも居住地を荒らされるばかりか「エサ難民」に...>

バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプで、野生のゾウによる襲撃が相次いでいる。

バングラデシュ南東部コックスバザール県クトゥパロンは長い間、野生のアジアゾウの生息地だった。しかし2016年8月以降にミャンマー(ビルマ)を追われたロヒンギャたちが国境を越えて本格的に避難を開始。コックスバザールに設けられたキャンプは現在では世界最大級の規模に膨れ上がっている。

ロヒンギャに新たな脅威「ゾウ」

ゾウによる襲撃事件は、度々報告されてきた。2017年9月にはクトゥパロンのキャンプで男性2人が、森のそばにテントを張って寝ていたところをゾウに踏みつぶされて死亡した。その翌月には同県バルカリのキャンプで子供3人と女性1人が深夜の襲撃で殺された。バングラデシュの英字紙インディペンデントによると、ゾウが現れたのは深夜1時ごろ。8棟の小屋を破壊し、多くの負傷者を出した。そして2月22日にはクトゥパロンで12歳の少年が死亡し、30人が負傷。20棟の小屋が壊されるなど大きな被害が出た。

(2月22日のゾウ襲撃)


ABCニュースの取材に答えた、ロヒンギャ難民を支援するシャフィール・ラフマンは、年末以降、ゾウの襲撃はどんどん増えていると指摘する。

原因として考えられるのは、ミャンマーと国境を接するバングラデシュ南部で、ロヒンギャの居住地を確保するために森林が伐採されていることが大きい。ラフマンによると、ゾウが使う道と難民の居住エリアは混在しているそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米副大統領がローマ教皇称賛 政治的相違も「偉大な司

ビジネス

日銀、追加利上げ先送りの可能性 米関税巡る不透明感

ビジネス

仏ケリング、第1四半期は14%減収 グッチが予想以

ワールド

韓国GDP、第1四半期は予想外のマイナス 輸出減少
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 6
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 7
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    ウクライナ停戦交渉で欧州諸国が「譲れぬ一線」をア…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中