米FRB、今年3度目の利上げ決定 2019年まで年3回の利上げ見込む
12月13日、米連邦準備理事会(FRB、写真)は連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.25─1.50%に0.25%ポイント引き上げることを決定した。 2016年10月撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)
米連邦準備理事会(FRB)は13日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.25─1.50%に0.25%ポイント引き上げることを決定した。
利上げは今年に入って3回目。2018年と2019年はそれぞれ3回ずつ利上げが実施されるとの見通しを示した。金利は長期水準の2.8%に達する見込み。FRBは9月にも同様の見通しを示している。
FRBは声明で「労働市場が引き締まり続け、経済活動が堅調な速度で拡大していることを示している」と指摘。
FRBは今回発表した経済見通しで2018年の成長率は2.5%になると予想。前回9月に示した見通しは2.1%だった。失業率は18年は3.9%と予想。前回9月は4.1%だった。ただインフレ率については、来年もFRBが目標とする2%をやや下回る水準にとどまるとの見方を示した。
今回の決定にはシカゴ地区連銀のエバンズ総裁とミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が反対票を投じた。
FOMC結果を受け、国債利回りは低下し、ドルは対主要通貨バスケットで値下がりした。
イエレンFRB議長は来年初めの退任を前に最後の記者会見に臨み、トランプ政権が提案する税制改革案が経済見通し引き上げの要因になったと説明。「大半のメンバーは議会が検討中の財政刺激策の影響を見通しに織り込んだ」と語った。
また法人税の大幅減税など財政改革案がもたらす具体的な効果については、各種要因に左右されるとし、「税制の変更は今後数年、経済活動を一定程度押し上げる公算が大きいものの、マクロ経済への効果の規模や時期については依然不透明だ」とした。