米FRB、今年3度目の利上げ決定 2019年まで年3回の利上げ見込む
イエレン議長の後任にはパウエル理事が就任する。
FRBは今回発表した経済見通しで2018年の成長率は2.5%になると予想。前回9月に示した見通しは2.1%だった。失業率は18年は3.9%と予想。前回9月は4.1%だった。ただインフレ率については、来年もFRBが目標とする2%をやや下回る水準にとどまるとの見方を示した。
イエレン議長はインフレ率の目標下振れについて、パウエル次期総裁に解決を託す重要な「未完の任務」と表現した。
今回の決定にはシカゴ地区連銀のエバンズ総裁とミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が反対票を投じた。
FOMC結果を受け、国債利回りは低下し、ドルは対主要通貨バスケットで値下がりした。
米株は声明発表後に一時上昇したが、S&P500種総合指数は高値を維持できずに反落。まちまちで取引を終えた。
米金利先物市場では、トレーダーがFRBは来年2回の利上げを実施するとの予想を維持した。
イエレンFRB議長はトランプ政権が提案する税制改革案が経済見通し引き上げの要因になったと説明。「大半のメンバーは議会が検討中の財政刺激策の影響を見通しに織り込んだ」と語った。
また法人税の大幅減税など財政改革案がもたらす具体的な効果については、各種要因に左右されるとし、「税制の変更は今後数年、経済活動を一定程度押し上げる公算が大きいものの、マクロ経済への効果の規模や時期については依然不透明だ」とした。
インフレ率が来年も2%目標をやや下回る水準にとどまるとの見方をFRBが示したことについて、エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケイト・ワーン氏は「少なくとも一部の当局者は、経済が拡大しつつも過熱せず、インフレ高進の問題もない状況で、利上げを継続する理由は見当たらないと考えていることを示している」と述べた。
一方、FRB当局者はFF金利が2020年には3.1%に上昇し、長期的に持続する「中立」水準を上回ると予想。これは物価圧力の将来的な高まりへの懸念を反映したものと言える。ただイエレン議長は、インフレ見通しは引き続き非常に不透明であることに変わりはないと強調した。
FRBは1月以降、保有債再投資の縮小額を予定通り、米国債が月額120億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)が同80億ドルに拡大すると明らかにした。
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