北朝鮮外交官が酒の密売? パキスタンの窃盗被害で発覚
アルコール枠
酒は、パキスタンでは慎重を要する問題だ。
イスラム教徒は、法律でアルコールの消費が禁止されている。だが欧米化されたエリート層の中には酒をたしなむ人が多くいる。
キリスト教徒やヒンズー教徒、シーク教徒など人口の約3%を占めるイスラム教徒以外の国民は飲酒を許されているが、輸入物の高品質な酒を合法的に入手するのはほぼ不可能だ。
これが、闇市場の温床となっている。酒は、国境や港で密輸されている。また、貧困国の外交官数人はロイターに対し、密輸業者から四半期ごとの「アルコール持ち込み枠」を数千ドルで買うと持ちかけられたと語った。
「これまで5回持ちかけられた。たいてい外交レセプションの場でだ」と、ある非西洋圏の外交官は語った。
パキスタンの規定では、北朝鮮大使館の一等書記官であるHyon氏は、3カ月ごとに決められた量のアルコールを輸入することができる。この枠を使えば、一例ではスピリッツ類120リットル、ワイン18リットル、ビール240リットルとなる。盗まれたと申告された量のほんの一部にしかならない量だ。
(翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)
[イスラマバード 8日 ロイター]
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