最新記事

犯罪

北朝鮮外交官が酒の密売? パキスタンの窃盗被害で発覚

2017年11月12日(日)14時00分


アルコール枠

酒は、パキスタンでは慎重を要する問題だ。

イスラム教徒は、法律でアルコールの消費が禁止されている。だが欧米化されたエリート層の中には酒をたしなむ人が多くいる。

キリスト教徒やヒンズー教徒、シーク教徒など人口の約3%を占めるイスラム教徒以外の国民は飲酒を許されているが、輸入物の高品質な酒を合法的に入手するのはほぼ不可能だ。

これが、闇市場の温床となっている。酒は、国境や港で密輸されている。また、貧困国の外交官数人はロイターに対し、密輸業者から四半期ごとの「アルコール持ち込み枠」を数千ドルで買うと持ちかけられたと語った。

「これまで5回持ちかけられた。たいてい外交レセプションの場でだ」と、ある非西洋圏の外交官は語った。

パキスタンの規定では、北朝鮮大使館の一等書記官であるHyon氏は、3カ月ごとに決められた量のアルコールを輸入することができる。この枠を使えば、一例ではスピリッツ類120リットル、ワイン18リットル、ビール240リットルとなる。盗まれたと申告された量のほんの一部にしかならない量だ。

(翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)

Drazen Jorgic

[イスラマバード 8日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米中東特使がロシア到着、プーチン大統領ときょう会談

ビジネス

欧州市場は機能、必要に応じて手段提供へ 為替注視と

ビジネス

中国が報復措置、対米関税125%に 引き上げでこれ

ワールド

ガザの医薬品が極端に不足、支援物資搬入阻止で=WH
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 9
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 10
    凍える夜、ひとりで女性の家に現れた犬...見えた「助…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中