中国から労働者を閉め出された北朝鮮 開城工業団地をひそかに再稼働
北の開城工業団地再稼働は文在寅政権にも打撃?
今から10年前、2007年10月4日に韓国の盧武鉉大統領は平壌を訪れ、金正日総書記と首脳会談を行い、朝鮮半島の平和と統一へ両者が努力するための「10.4共同宣言」を発表した。だが、それから10年後の現在、金正恩体制下の北朝鮮は、緊迫の度を増す朝鮮半島情勢についてすべての非は韓国側にあると連日、批判する報道を発表している。
当時、韓国政府の南北首脳会談準備委員長だった文在寅(ムン・ジェイン)大統領をはじめ、国家情報院次長だった徐薫(ソ・フン)は国家情報院長、大統領府統一外交安保政策秘書官だった趙明均(チョ・ミョンギュン)は統一部長官と、現在の文政権には、南北首脳会談に直接関わった者がいる。
大統領府関係者によれば、文大統領はこの「10.4共同宣言」10周年という節目の時期に離散家族再会事業などの民間交流を再開し、南北関係を対立から対話へと切り替えて、来年2月の平昌五輪への北朝鮮参加で本格的な和解へつなげたいと考えていたようだが、今回の北朝鮮による開城工団工業団地での工場再稼働によって、南北関係はさらに疎遠にならざるを得ない様子だ。南北融和を目指す「太陽政策」の継承を掲げてきた文大統領にとっては、国内外から路線変更を強く求められざるを得ないだろう。