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インタビュー

「日本に移民は不要、人口減少を恐れるな」水野和夫教授

2017年7月24日(月)15時59分
長岡義博(本誌編集長)

――石油やシェールオイルの取得によりコストがかかる時代が到来することで、化石燃料の時代が終わりを迎える、と指摘されています。では、中東はどうなるでしょうか。

トルコがまとめるしかないでしょう。歴史的にオスマン帝国の版図は現在のイラク、サウジアラビア、北アフリカまで。トルコの「帝国」化で、域内の治安や生命の安全を保障する。現在の中東問題の原因を作ったドイツやイギリスなどがそれを支援するべきでしょう。

トルコが帝国化することで、北極海と大西洋、サハラ砂漠という天然の要害に囲まれたEUの守りが完璧になる。これまで三方は完璧だったが、トルコの「帝国」化とロシアのプーチン大統領の存在で守りが完成する。今のEUが悩まされている難民問題から解放されます。

――日本人はこれまで「開国」「オープン化」は善だ、と刷り込まれてきた部分があります。

オープンにするのが得策だったのは、自分たちの場所にモノがなかった時代の昔話です。トウモロコシもコショウもない時代には、遠くまで取りに行かねばなりませんでした。今は、液晶パネルもワインも近隣でまかなえる。モノが十分にある現代だからこそ、「閉じる」ことができる。閉じることができる、というのはすべてがそろった良い状態である、ということです。


『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』
 水野和夫
 集英社新書

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