最新記事

キューバ

キューバに国営ラブホテルが復活

2017年7月6日(木)10時38分
ソフィア・ロット・プレジオ

ハバナの海外で休むカップル Carlos Garcia Rawlins-REUTERS

<ラブホテルの復活で、ハバナの恋人たちも財政難の政府も救われる!?>

キューバ政府は、お金のない若い恋人たちに逢い引きの選択肢を与えようと、ラブホテルを復活させようとしている。

7月3日付けのキューバ共産党(CTC)系新聞トラバハドーレスが伝えたところによると、政府は、スペイン語で「ポサダ(宿)」と呼ばれ、かつて人気を誇った国営ラブホテルの一部を復活させる予定だ。

首都ハバナにはかつてポサダがたくさんあり、2人きりになれる個室を時間単位で借りることができた。ポサダは19世紀末にキューバに登場し、1990年代後半に人気が高まった。1973年までに、少なくとも60軒のポサダがハバナに開業したというが、1991年のソ連崩壊後、数は急減。主要な輸出先を失い、経済危機に陥った上、ハリケーンが襲来してその多くが被災者用の住宅に転用された。

【参考記事】カストロ前議長の死でキューバ改革加速か、カギ握るのはトランプ?
【参考記事】アメリカと和解したカストロ政権の大ばくち

国営ラブホテルの代わりに民間企業が参入したが、料金は3時間5ドルと、月給が25ドル程度の平均的な市民にとっては非常に高額だと、地元紙が伝えている。

ハバナ州住宅供給公社でディレクターを務めるアルフォンソ・ムニョス・チャンは、すでに再開一軒目となるポサダの建設を決めている。「『ベント・ホテル』という名称の2階建て、浴室付きの客室16室を備えた施設からスタートする」と、地元紙に明かした。

各部屋にはエアコン、テレビ、ミニバー、電話が設置されるなど、9月の開業に向け準備が進んでいる。ホテル・ベントの運営管理者、マリア・スターリングは「市民の需要に応える、とても便利なサービスになる」と同紙に語った。

今後さらに、少なくとも2軒が開業する予定。チャンは「若者たちの愛に火を付けるんだから、儲からないわけがない」と語った。

【参考記事】孤独な共産主義国、キューバ
【参考記事】歴史を軽視した革命思想から解き放たれ、初体験は55の夏


【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!

ご登録(無料)はこちらから=>>


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中