最新記事

ファストフード

早さより味 マックが賭ける生肉パティのクォーターパウンダー

2017年6月23日(金)12時30分

生の牛肉の使用は、チキンナゲットなど人気商品における人工保存料の使用中止とともに、よりシンプルで、「クリーン」で、新鮮な原材料を求める顧客のニーズに対応することで、売り上げを押し上げるとアナリストは予想する。

クォーターパウンダーの改良は、オクラホマ州とテキサス州の約400店舗で約2年間、試験的に導入され、アナリストや当地のマクドナルドのフランチャイズ加盟店からすでに支持を集めている。

テキサス州ダラス地域のマクドナルドのマネジャー3人がロイターに語った推定では、広告やクーポンの効果はあるものの、改良によってクォーターパウンダーの売上高が20─50%拡大した。

「この先のワタバーガーから客を奪っている」と、ダラス北部の高級住宅地区にあるマクドナルドのマネジャー、エドガー・メザ氏は言う。テキサス州に拠点を置くワタバーガーはコメントを控えた。

一部のバーガー好きも注目している。

「少しジューシーになった」と語るのは、ダラスのディープエラム地区近くのマクドナルドでクォーターパウンダーを平らげたロブ・ライリーさん。マクドナルドでの食事は、今週でこれが3度目だという。

「ウェンディ―ズが目を覚まさせたのだと思う」

ダラス・フォートワース地域で20店舗を所有しているマクドナルドの元幹部ジョー・ジャスパーさんは、こうした取り組みに深く関わってきた。ジャスパーさんは新クォーターパウンダーについて、「業界最高のバーガーだが、それよりも重要なのは(提供する)マクドナルドのスピードだ」と説明する。

問題は、「マクドナルドのスピード」が多くのライバルほど速くはない、ということだ。

ファストフード業界誌QSRが発表した調査によると、マクドナルドのドライブスルーにおける昨年の平均提供時間は208.2秒。業界トップを走るウェンディーズの169.1秒に大きく水をあけられている。バーガーキング、ダンキンドーナツ、ケンタッキーフライドチキン(KFC)にも負けている。

マクドナルドは2012から2016年にかけて、一部店舗でドライブスルーのレーンを増やすなどして、ウェンディーズとの提供時間の差を3分の1縮小した。だが、それでも昨年の平均提供時間は2012年と比べ、20秒近く遅くなっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、1カ国と貿易協定で合意と商務長官 国名は明かさ

ビジネス

商品価格、26年にコロナ禍前水準に下落 経済成長鈍

ビジネス

米3月求人件数、昨年9月以来の低水準 解雇件数9カ

ビジネス

トランプ氏、ベゾス氏に電話で抗議 アマゾンが関税費
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 6
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中