早さより味 マックが賭ける生肉パティのクォーターパウンダー
一方、業界経験者の一部は懐疑的な見方をしている。
常連客にとって利便性こそ最も重要であり、もしスピードが悪化すれば、彼らは他の店に行くかもしれない、と南カリフォルニアのマクドナルドフランチャイズ加盟者からコンサルタントに転身したリチャード・アダムスさんは指摘する。
「注文を受けてから調理するとなると、提供時間は遅れることになる」とアダムスさんは語る。
生の牛肉を使用したバーガー導入時、マクドナルドの厨房ではすでにプレッシャーが高まっていた。
アダムスさんによると、店員たちはすでに、最近米国で導入された新しい「シグネチャー・クラフテッド」メニューに戸惑いを見せていた。同メニューでは、客が肉やパンの種類、トッピングを選ぶことができる。全米店舗に拡大されるにつれ、同メニューのクォーターパウンダーにも生の牛肉が使用される。
マクドナルドの調理担当は、セルフレジ導入やモバイル注文の推進によって、今後一段と負担を強いられる可能性がある。こうしたテクノロジーは注文時間を短縮する一方で、ピーク時には注文が殺到するという新たなボトルネックをもたらしかねない。コーヒーチェーン世界最大手の米スターバックスはすでにそれを経験済みだ。
新鮮さかスピードか
クォーターパウンダーのリニューアルは、創立60年のマクドナルドを現代化し、4年連続で減少している客足を取り戻すため、イースターブルックCEOが打ち出した最も新しい対策だ。
これはまた、ウェンディ―ズやワタバーガー、イン・アンド・アウト・バーガーといった生肉を使用したファストフードチェーンを直撃する。これら企業は、マクドナルドが2012年以降、米国で5億もの取引数を奪ったと主張するライバル社の一部である。
イースターブルックCEOが2015年10月に導入した朝食メニューの全日提供は大ヒットし、売り上げ拡大に貢献した。マクドナルドの株価は今年、25%超上昇している。