米3月モノの貿易赤字、9.6%増の1620億ドル 過去最高に=商務省

米商務省が29日発表した3月の財(モノ)の貿易収支(季節調整済み)は赤字が1620億ドルと、9.6%増加した。赤字は輸入の急増を背景に拡大。第1・四半期の経済成長に貿易が足かせになっている可能性があることが示唆された。(2025年 ロイター/Bob Riha, Jr. )
Lucia Mutikani
[ワシントン 29日 ロイター] - - 米商務省が29日発表した3月の財(モノ)の貿易収支(季節調整済み)は赤字が9.6%増の1620億ドルと、過去最高に拡大した。輸入の急増が背景にある。第1・四半期の経済成長に貿易が足かせになっている可能性があることが示唆された。
モノの輸入は163億ドル増の3427億ドルと、過去最高を記録。トランプ米大統領が掲げる大規模関税措置を回避するために輸入を急いだことが要因とみられ、消費財の輸入は27.5%増加した。自動車や資本財の輸入も増加した。一方、非貨幣用金の流入で押し上げられていた工業資材の輸入は13.5%減少した。食料品の輸入も減少した。
モノの輸出は22億ドル増の1808億ドル。自動車、食品、工業資材の輸出がけん引した。資本財と消費財の輸出は減少した。ドル安は輸出の追い風となるものの、他国が米国産品に報復関税を課すことで、増加は抑制される可能性がある。
政府は30日に1─3月期の国内総生産(GDP)速報値を発表する。エコノミストらは、トランプ大統領の二転三転する関税政策が企業に混乱と不確実性をもたらしていることから、経済成長がほぼ停止すると予想。貿易が同四半期のGDPを最大1.9%ポイント押し下げた可能性があると推定している。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は「純輸出が第1・四半期のGDP成長率を大きく押し下げると予測している」と述べ、輸入品の一部は卸売業者の倉庫に保管されたものの、貿易赤字の悪化によるGDPへの影響は緩和されないとの見通しを示した。