プーチン露大統領の米大統領選「干渉作戦」 機密文書が裏付け
トランプ大統領は、ロシアの活動が米大統領選の結果に何ら影響を与えていないと主張する。ロシアの干渉を巡って現在行われている米議会と米連邦捜査局(FBI)による調査では、トランプ氏側がロシアと共謀して選挙結果を変えようとしたという証拠は今のところ明らかになっていない。
米当局者4人によると、昨年6月に作成された1つ目の文書で示された手法は、プーチン政権が2016年3月に始めた活動を広げたものである。クレムリンは同月、ロシア・トゥデイやスプートニクといった同国の国際報道機関を含む政府系メディアに対し、次期米大統領を目指すトランプ氏についてポジティブな報道を始めるよう指示したという。
ロシア・トゥデイはコメント要請に回答しなかった。一方、スプートニクの広報担当者は、同社がクレムリンの宣伝活動に加担したという米当局者らの主張は「全くのうそだらけ」と一蹴した。
政府寄りブロガーたちの活躍
ロシア・トゥデイとスプートニクが反クリントン記事を掲載する一方、米諜報機関が1月公開した報告書によれば、ロシア政府寄りのブロガーたちは、予想されていたクリントン氏勝利の公正さに疑問を投げかけるキャンペーンをツイッターで行う準備をしていた。
同報告書によると、ロシア・トゥデイで最も人気を博したクリントン財団の慈善活動について疑問を投げかける動画は、ソーシャルメディア上で900万回視聴されたという。
ロシア・トゥデイとスプートニクは「一貫して、トランプ氏のことを、従来のメディアから不当な報道の対象とされている人物として扱った」と同報告書には記されている。
また同報告書は、ロシア政府の活動がトランプ氏に有利に運んだかどうかについて、米情報機関は評価しなかったと指摘。その理由として、米情報機関は「米国の政治プロセスや世論を分析」しないことを挙げている。