アメリカ旅行業界逆風に直面へ トランプの入国制限令やドル高で
3月10日、米旅行業界は観光客減に直面する1年となりそうだ。写真はニューヨークで2015年5月撮影(2017年 ロイター/Carlo Allegri)
米旅行業界にとり、2017年はドル高やトランプ大統領の入国制限をめぐる不透明感に伴う観光客減に直面する1年となりそうだ。
米国を拠点に世界でホテルチェーンを展開するベストウエスタンのデイビッド・コン最高経営責任者(CEO)は当地で開催された観光見本市(ITB)で、トランプ大統領が今週署名したイスラム圏6カ国からの入国を制限する新たな大統領令について、米国が外国人を歓迎してないというシグナルを発することになりかねないとし、業界全体に「巻き添え被害」が広がる可能性があるとの認識を示した。
入国制限に加え、ドルは過去半年間ユーロに対し5%超上昇し、米国を訪れる外国人観光客への足かせとなっている。
ニューヨーク市は今年の外国人観光客数が前年から横ばいの1270万人となることを見込むが、従来予想から30万に下方修正している。
世界ビジネス旅行協会(GBTA)も、ホテル・航空業界の主要収入源である出張・社用旅行が大統領の入国制限の悪影響にさらされることを見込んでいる。
入国制限を踏まえ、自社が出張などのビジネス旅行を減らすことを見込む向きは米業界関係者の間で37%。同時に、欧州では17%が、自社が米国行きのビジネス旅行をすでに中止したと回答している。