北朝鮮、新型ロケットエンジンを実験 数年でICBM実用か?
北朝鮮が18日東倉里で新型ロケットエンジンの地上噴出試験を行った (c)nodong news
<北朝鮮が19日に新型ロケットエンジンの実験を行った。今回の実験は、米ティラーソン国務長官と中国の習近平国家主席の会談に合わせるかのようにして行われたが、これは単なる示威行為ではなく、北朝鮮がICBMの打ち上げ技術開発に着手したサイン、と見られている>
北朝鮮は18日、新型高出力ロケットエンジンの地上噴出試験を行った。金正恩(以下、キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が指揮をしたと、朝鮮中央放送と朝鮮中央通信が19日報道した。
ティラーソン米国務長官が15日からの日韓中3カ国歴訪を通じ、オバマ政権とは違う北朝鮮へ強力な圧力をかけるメッセージを表明した。これに対して北朝鮮は、新型高出力ロケットエンジンの噴出試験を公開することで、今後も長距離ミサイルと衛星発射用ロケットなどの中核技術を発展させる作業を続けていくという意志を示したものとみられる。
北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、「国防科学者、技術者たちは、これまでのエンジンより推進力が高い大出力エンジンを完全に朝鮮独自の技術で新たに研究製作し、初めての試験で一気に成功したことで、国防工業建設史に特記するもう一つの奇跡を創造した」と強調した。
さらに「今回の試験は燃焼室の推進力特性とタービンポンプ、制御系統など高出力エンジンの全般的な技術的指標を確認することを目的として行われ、結果として目標値に到達した」と伝えた。
また、キム・ジョンウン総書記は、今回の実験について「今日達成した巨大な勝利がどのような思弁的な意義を持つかを全世界がすぐ見られるようになるだろう」と語り、新たなミサイルの発射を行うことを示唆している。
この発表についてNEWSISなど韓国メディアは、北朝鮮がこれまで新しいエンジンの試験を行うときにはどのような用途のものかを明確にしていたのに、今回は明らかにしなかった理由について注目されると報じている。
専門家によれば、北朝鮮の発表した写真をもとに昨年9月に試験をした静止衛星運搬用ロケットエンジンの発展系とみられ、大陸間弾道ミサイル(以下、ICBM)のエンジンとして開発されている可能性が高いという。