トランプ初の単独会見は大荒れ けんか腰の大統領に記者から反撃も
2月16日、トランプ米大統領(写真)は、初めて単独会見を開いたが、開始3分で不満を爆発させた。ワシントンのホワイトハウスで撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)
トランプ米大統領は16日、初めて単独会見を開いたが、開始3分で不満を爆発させた。自身の支持率が55%とする調査を無視したとして記者団を非難した。
ただ、この数字は他の大半の調査と一致するものではない。
就任から数週間に発生した一連の出来事に関する報道は不公平だと主張するトランプ大統領のメディア批判は、辛らつに、時に個人的に繰り広げられた。
トランプ大統領はこの日、主要政策の1つである入国制限令をめぐり、米連邦控訴裁が効力停止を支持する判断を出したことの敗北に甘んじた。また、労働長官を指名し直さねばならなくなったほか、国家安全保障担当の大統領補佐官の辞任に関する質問にも直面した。異例なほど長く、好戦的な会見の主たる標的は、メディアに向けられた。
大統領選における自身の選挙陣営がロシアと接触していたとの報道について記者から聞かれると、大統領は質問をそらし、代わりに「違法な」情報流出であり、「不誠実な」報道だとして矛先を変えた。
発足当初からトランプ政権の混乱が連日のように報道され、大統領は要領を得ない質問をしたある記者に「座れ」と言い、次のように述べた。
「彼らは明日、『ドナルド・トランプは記者会見でわめき散らした』と報じるだろう。だが私はわめき散らしてなどいない。ただ伝えているだけだ。君たちが不誠実な人間だと」
トランプ大統領は77分に及んだ記者会見で、昨年の大統領選で自分に一票を投じた有権者にメッセージを送っているかのようだった。彼らの多くは、政府に置き去りにされていると感じ、支配層に活を入れようとするアウトサイダーとしてのトランプ氏のイメージを好んでいる。
会見が終わりに近づいたとき、珍しいやり取りがあった。トランプ大統領がある記者を指名して、「味方」かどうかを尋ねたのだ。
この記者から全米各地のユダヤ系施設48カ所が最近脅迫されたことについて聞かれると、トランプ大統領は「君たちがこれまで見てきた中でも、私は反ユダヤ主義から最もかけ離れた人物だ」と答え、この質問を個人的に捉えているようだった。
トランプ大統領は「人種差別からも一番遠い人物だ」とも付け加え、同記者に「黙る」よう言い、さらにうそをついていると非難して、質問は「侮辱的」だと一蹴した。