トランプ初の単独会見は大荒れ けんか腰の大統領に記者から反撃も
「なぜ米国民はあなたを信頼すべきか」
一方、大統領の事実を扱う能力について、記者から反撃を受ける場面もあった。
米大統領選で獲得した選挙人の数をめぐって、レーガン大統領以降で自身が最大だったとするトランプ氏に対し、NBCニュースの記者は会見場でそれが間違いであることをすぐに確認し、「あなたが正確ではない情報を提供しているのに、米国民が偽ニュースを受け取っているとあなたは非難している。なぜ米国民はあなたを信頼すべきなのか」と問いかけた。
トランプ大統領は自身のスタッフのせいにしているように見えた。「そういう情報を与えられた」と大統領は答え、他の記者を指名した。
トランプ政権が発足して1カ月足らずだが、ほとんどの世論調査でトランプ氏の支持率は低迷している。ロイター/イプソスが2月10─14日に実施した調査では、支持率は46%だった。
問題を抱えてスタートする政権は多いが、メディアとの対立やイスラム圏7カ国からの入国を一時制限する大統領令をめぐる法廷闘争など、トランプ政権はとりわけ論議を呼んでいる。
「テレビを見たり、新聞を読んだりすると、目にする記事は混乱しているという記事ばかり。だが実際はそれとは真逆だ」とトランプ大統領は述べた。
トランプ大統領は、自身の選挙陣営が昨年にロシア情報機関の高官と頻繁に接触していたとするニューヨーク・タイムズの報道に関する質問を手で払いのけた。
大統領の主な不満は、今週辞任したフリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と駐米ロシア大使との会話や、メキシコとオーストラリア首脳と自身のやり取りが不正流出したのをメディアが報道したことにある。
「まず思ったことは、メディアがこの情報をどうやって手に入れたのかということだ」と大統領は語った。
(Steve Holland記者、James Oliphant記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)