フォード工場建設撤回、メキシコ経済へのリスク浮き彫りに
フォードの撤回決定は、より高級で大型の車製造には賃金が高めの米国労働者を割り当て、労働コスト削減を目的に小型車をメキシコで製造するという、米国の自動車大手の取り組みに歯止めをかけるものだ。
フォード新工場予定地から遠くない場所では、ゼネラル・モーターズ(GM)
独自動車大手BMW
一方、不動産サービス大手コリアーズ・インターナショナルのセルジオ・レセンデス氏によると、ほとんどが外資系の40─50社が、フォードの新工場への供給を目的に、サンルイスポトシに進出する用意があった。12─14社程度の供給業者が土地を購入したり、開発業者との契約を交わしたりしていたという。
サンルイスポトシ州のグスタボ・プエンテ経済相は「供給業者は(進出作業)進捗(しんちょく)の程度により、損失を被るだろう。既に多額の投資を行っている」と指摘した。
フォード工場の予定場所ではショックを受け、落胆した複数の労働者が建材を梱包(こんぽう)し、現場を離れようとしていた。建設作業員のロサリオ・ロチャさん(52)は「これはひどい仕打ちだ」と述べた。