中国獄中で忘れられるアメリカ人
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<証拠不十分なまま4年も拘束されているアメリカ人男性。アメリカ政府の助けも得られず母親は悲痛な叫びを上げている>(米国務省によれば、中国で拘束されているアメリカ人は約90人)
あとどれくらい中国の刑務所で過ごすことになるのか。マーク・スワイダン(41)は今日にでも知ることになるかもしれないし、ならないかもしれない。
米ヒューストン出身のスワイダンは放浪のアーティストで写真家、そして意欲的なビジネスマン。4年前に中国南部で、覚醒剤の一種であるメタンフェタミン関連の陰謀に加わった容疑で逮捕された。保釈を認められずに1年間拘束され、その後、裁判にかけられた。
3年たった今でも、裁判官は判決の言い渡しを何度も先延ばしにしている。観測筋が言うには、当局がこの裁判で悩んでいる可能性があるからだ。「彼にとって不利な証拠は、非常に脆弱なものしかない」と、中国の政治犯の解放などを目指して活動する対話財団の創設者ジョン・カムは言う。「私がみるに、マーク・スワイダンはひどい誤認逮捕の被害者だ」
裁判が解決するまで、スワイダンは広東省江門の拘置所に拘束され続ける。そこでは夏の気温は43度にもなり、彼が母親に語ったところでは、被収容者の多くは輸出向けに「刺激の強い化学薬品で絹の花を作らされる」という。
母親のキャサリン・スワイダンは、100キロあった息子の体重が半分近くになったと話す。高血圧や皮膚感染症など、健康不安の高まりも悩ましい。最近、首にしこりができたが、家族の病歴から考えると癌性のものではないかと彼は心配しているのだという。
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さまざまな不安から息子は重い鬱状態に陥っていると、キャサリンは言う。7月下旬に訪問した米領事館員の報告によれば、スワイダンは「エネルギッシュ」に見えたが、自殺を一度試みたと話したらしい。
「自殺することを今も考えているとマークは言っていた」と、領事館員はキャサリンに宛てた電子メールで告げた。「彼の安全を確保するよう注意を払い、彼が自殺をほのめかしたら真剣に受け止めるよう、われわれは拘置所に依頼している」
証拠が不十分で、適正な手続きもない。そんな状況に置かれている息子のために、なぜアメリカ当局はもっと声を上げてくれないのかとキャサリンは不思議に思っている。これまで中国や北朝鮮、キューバ、イランで逮捕されたアメリカ市民のために、そうしてきたように。
中には、ジョン・ケリー国務長官やホワイトハウスから支援を受けた人もいた。しかしスワイダンの件でホワイトハウスから声明は出ておらず、国務省の日例記者会見でも言及はない。
結婚前に家具を買いに
キャサリンによれば、スワイダンは数年前にベトナムでの結婚式に出席したことがきっかけで、アジア旅行に夢中になった。台湾や日本を訪れたときにフィリピン人女性と恋に落ちて、プロポーズ。結婚間近になり、彼は家具を買うために中国に行ったが、このとき同時に、友人の会社にヘリウムを供給してくれるところを探していた。