サンダース支持者はヒラリーに投票するのか? しないのか?
だが、ヒラリーは「アメリカ合衆国は寛容で、公平な国だ。見た目が異なる人、愛し方が違う人、宗教が違う人を含め、すべての人が公平に扱われるよう子供たちに教えなくてはならない」と、アメリカの多様性を讃え、国民が手をつなぐことを訴えた。
さらにヒラリーは、予備選でも重要なアジェンダとしていた銃規制を強く訴えた。それを評価したサンダース支持者の一部が、ソーシャルメディアでヒラリー支持を表明し始めたのだ。
この影響もあったのか、14日のワシントンDCの予備選は、78.7%対21.1でヒラリーが圧勝した。
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しかし、サンダースはいまだに戦いをやめるつもりはない。また、ヒラリーの副大統領のポジションも望んでいないと言われる。なぜなら、それはサンダースの情熱的な支持者の目には「sell out(裏切り)」と映るからだ。すでにヒラリーを犯罪者のようにみなしている彼らにとって、それまでにどれほどリベラルな政治家として評価されていても、ヒラリー支持を表明したとたん「裏切り者」になる。
たとえば、エリザベス・ウォーレン上院議員は、消費者金融保護局の設立に貢献し、「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」運動の思想基盤を作ったことでも知られ、サンダース支持者から愛されていた。サンダースを最初に担ぎだしたのは、この「ウォール街を占拠せよ」運動の中心人物たちだったとも言われている。
ところが、ウォーレンがヒラリー支持を表明したとたん、「裏切り者」「魂を売った」「自分にとってエリザベスは死んだも同じ」という非難がソーシャルメディアにあふれた。ウォーレンのTシャツを燃やしている写真をツイートした若い女性もいた。「バーニー(サンダース)がヒラリーの副大統領候補になったら、彼も裏切り者だ」という意見もすでに見かける。
ワシントンDCの予備選の夜、ヒラリーとサンダースは90分にわたって会談したが、サンダースは「ヒラリー支持」を表明しなかった。
そして16日の夜、サンダースは自分の支持者だけに向けてオンラインの生放送で語りかけた。(リンクを入手するためには、サンダースのサイトで申し込む必要がある)
その内容は、9日にセンクや筆者が予想した通り、ヒラリー支持を発表するものではなく、「政治革命」を続けるという宣言だった。トランプ批判よりも、民主党が「労働者」と「若者」のための党に変わるように支持者が圧力をかけ続けることを奮起する部分のほうが長かった。そしてヒラリーについても、同意する部分が多いことを認めつつ、「著しく意見が食い違うアジェンダがある」ことを強調した。