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欧州ドイツが軍縮から軍拡へと舵を切った
人員が増強される予定のドイツ軍 Michaela Rehle-REUTERS
<ドイツが冷戦終結後、初めて軍事力の増強を発表。サイバーテロの防衛や押し寄せる難民の救援活動、アメリカ主導のISIS掃討作戦への支援を強化する>
ドイツがサイバー防衛やシリアなど国外での活動を強化するため、冷戦終結後初めて軍事力を増強することを先週発表した。今後7年間で、兵士7000人を増員。国防予算は20年までに現状の343億ユーロから392億ユーロに14%増額するという。
ドイツは過去26年間、大幅な軍縮政策を取ってきた。東西ドイツが統合した1990年には、東西合わせて80万人規模の軍事力があったが、現在は24万人規模に縮小している。
【参考記事】アメリカの無関心がヨーロッパに戦火を招く
増強される人員は主に、サイバー防衛や欧州へ押し寄せる難民を海上で救助する任務に当たる。加えて、米軍がシリアやイラクで展開するテロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)掃討作戦の支援も行う。
オバマ米大統領は先月末、訪問中のドイツで演説し、「すべてのNATO加盟国はGDPの2%を軍事費に充てるという約束を守るべきだ」と訴えた。NATOによると、ドイツの15年の軍事費はGDPの1・18%だ。「四半世紀に及んだ軍縮は終わった」と、フォンデアライエン独国防相は語った。
[2016年5月24日号掲載]