南シナ海仲裁裁判に台湾が横やり、裁定遅延の恐れも
中国政府は常設仲裁裁判所への陳述書提出を拒否しているが、同裁判所の発表によれば、判事は中国の公式声明を考慮に入れているという。
中国政府が同国の一部とみなしている台湾は、どのような形であれ仲裁手続きへの参加を呼びかけられてはいなかった。ベトナムは、常設仲裁裁判所に管轄権があると判断したフィリピンの申し立てを支持し、陳述書を提出している。
東南アジア研究所(シンガポール)の南シナ海専門家、イアン・ストーリー氏は、判事が台湾の主張を検討することを認めたのは大きな意味があると指摘。
「判事が、公平であろうと努力していることを示している。中国が参加を拒否しても、台湾が国連に加盟していなくても、あらゆる関係当事者の主張を考慮に入れようと苦心しているのがうかがえる」とストーリー氏は述べた。
同氏はまた、台湾に「国際的な場所」を与えるのを中国は気に入らないであろう一方で、この問題に関しては「中国は見て見ぬふりをするかもしれない」との見方を示した。
(Greg Torode記者、J.R. Wu記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
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