中国に出没する「ゾンビ肉」、摘発品には40年前のものも
密輸肉の摘発は今年に入り、それまでの約3倍に増えた。新聞などにも取り上げられるようになり、食品スキャンダルには慣れている中国の消費者にも警戒心が強まった。
6月には複数の現地メディアが、当局が差し押さえた密輸肉10万トン強の一部に、40年前の「ゾンビ肉」も含まれていたと報じた。
税関当局者と警察はロイターの取材に対し、今年発見された最も古い肉は4─5年前のものだが、2年前には1967年の日付が押されたニワトリの足が押収されていたと認めた。
検査が厳しくなったことで、中国に入ってくる冷凍トラックを税関当局者が見過ごすことはもはや少なくなった。それにより、密輸業者は以前にも増して危険な運搬方法を選ぶようになっている。
湖南省・長沙の税関職員はロイターに「彼らはアリが巣を移動するかのごとく、1回につき1箱で肉を運んでくる」と語った。
香港ではロイターの取材陣は、「ボイブラジル」や「カーギル」とラベルされた肉入りケースが再梱包される場面を目撃した。
ブラジルの食肉会社ボイブラジルの広報は、自社製品が中国に密輸されていることは知らないとし、それ以上のコメントは差し控えた。
米大手商社カーギルの広報担当マイク・マーティン氏は、同社は香港の正規卸業者に牛肉を売っており、「そこから先の販売や流通についてはどうすることもできない」と話した。
途切れる低温物流
6月1日に長沙で行われた強制捜査では、未明に密輸捜査官らが20トンのコンテナトラックを取り囲んだ。積み荷の中身は、べトナムから小ロットで持ち込まれた腐りかけのインド産牛肉だった。