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英メディアヘンリー王子の全裸掲載は自粛すべきか
米ゴシップサイトが暴露したヘンリー王子「ご乱行」の写真を載せない英紙の深謀遠慮
油断は禁物 ロンドン五輪の閉会式に臨むヘンリー王子(左)とキャサリン妃 Stefan Wermuth-Reuters
英王室のヘンリー王子(27)の全裸写真がメディアに流出した騒動をめぐって、英王室が反撃に出た。メディア自主規制団体の報道苦情委員会に苦情を申し立てたのだ。
報道によれば問題の写真は先週、ヘンリー王子が休暇先の米ネバタ州ラスベガスのホテルで女性と「ストリップ・ビリヤード」に興じ、全裸になった姿を写したもの。
BBCによれば英王室は22日、写真に写っているのがヘンリー王子であることを認めたうえで報道苦情委員会に対し、王子のプライバシーが侵害されたと申し立てた。
もっとも、ヘンリー王子の「ご乱行」写真2点を掲載したのはアメリカの芸能ゴシップサイト、TMZドットコムで、イギリスの新聞は今のところどこも掲載していない。いかに「開かれた王室」でも、王族の全裸写真を載せるのは不敬にあたるというわけか。
唯一の例外は英大衆紙サンで、22日付の1面では同紙記者が全裸で局部を隠すヘンリー王子に扮した写真を大々的に掲載、「ヘンリー、『至宝』をわしづかみ」という大見出しを打った。
だが記者が全裸になるのは自粛よりバカげていると思ったのか、同紙はヘンリー王子の本物の全裸写真を金曜の紙面に掲載すると発表した。発行人のデービッド・ディスモアは、「世界中の人たちがインターネットで見られる写真が、自国で800万人の読者を持つ新聞で見られないのは馬鹿げている」と、CNNに語った。
電話盗聴スキャンダルの後遺症
今回イギリスのメディアが意外とおとなしい背景には、昨年イギリスの大手タブロイド紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドが特ダネを取るためにセレブや政治家の携帯電話を盗聴していた事件の影響があると指摘する声もある。
電話盗聴スキャンダルを受けて、プライバシー保護を望む有名人のリストを作り、リストにある有名人のプライバシーを侵したメディアには制裁を課すという案が浮上した。以来、イギリスのメディアは今にも自由な取材が制限されかねないと戦々恐々としている。
「新聞は自らの影に怯えている。もはや読者がクスリと笑ってしまうようなネタも取り上げようとしない。何の害もないし、誰も新聞やヘンリー王子に悪い感情を抱いたりしないのに」と、ニューズ・オブ・ザ・ワールドの元幹部ニール・ウォリスはトルコのメディアに語った。
しかし編集者協会のボブ・サッチウェル代表は、新聞の編集者たちはプライベートな場で本人の同意なしに撮影された写真の掲載は認められないという報道規制に従っているだけだとしている。
当のヘンリー王子は、既にラスベガスでの休暇を終えて帰国している。所属する軍に戻ったら「厳しいお叱りを受けるだろう」と、タイムズ・オブ・インディア紙は書いている。
From GlobalPost.com