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世界経済ロシア悲願のWTO加盟を許した「宿敵」
最後の障害だったグルジアから同意を取りつけ、ついにロシアのWTO加盟が実現間近に
悲願達成 G20でグルジアからWTO加盟への合意を取り付けたと語ったメドベージェフ(11月3日、カンヌ) Charles Platiau-Reuters
ロシアの18年越しの願いがついにかないそうだ。93年に申請して以来待ち続けた、世界貿易機関(WTO)への加盟がようやく実現しそうなのだ。
先週、ロシアは「宿敵」グルジアとの二国間交渉の末、加盟への同意を得ることに成功。今後はロシア議会での批准を経て、晴れて加盟を達成する見通しだ。
WTO加盟には、原則として153の全加盟国・地域の承認が必要だ。しかしグルジアは08年のグルジア紛争以来、ロシアの加盟に反対を表明。先月EUがロシア加盟に同意してからも、反対姿勢を貫く唯一の国として残っていた。
08年、グルジアは南オセチアとアブハジアの領有権を主張してロシアと紛争状態に突入。ロシアが2つの地域の独立を一方的に承認したため、両国の関係はさらに悪化した。
二国間交渉のロシア側代表マキシム・メドベドコフは先週、「正式な承認に向けた後は、細かい手続きをいくつか踏むだけだ。最も重要な局面は切り抜けた」と、通信社ブルームバーグに語った。
さまざまな妥協案と引き換えに同意
世界の貿易自由化の流れのなかで、ロシアのWTO加盟は、10年前に中国が加盟して以来の大きなステップになるだろう。ソビエト連邦崩壊から20年、GDPにして1兆5000億ドル規模になったロシア経済が、投資家をいっそう引き付けることになる。世界銀行は、WTO加盟によってロシアのGDPが中期的に3%以上押し上げられるとみている。
ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領は先週、フランスのカンヌで開かれた世界20カ国・地域(G20)首脳会議にて、グルジアとは南オセチア、アブハジアとロシアの国境における税関手続きなどの問題について合意したと語った。
グルジアのミハイル・サーカシビリ大統領は、今回の交渉の成果を「外交的勝利」と発言したとされる。一方のメドベージェフは、「最近、スイスの仲介で進められてきたさまざまな妥協案を受け入れる用意がある」と語っている。
グルジアは、11月10日にWTOの作業部会が加盟手続きを終えるまでに正式な合意を表明する見通しだ。その後、12月15日にジュネーブで行われるWTO閣僚会合で、ロシアの加盟が承認される。
ロイター通信によれば、ロシアの加盟にはさらにロシア議会の批准が必要となる。おそらくウラジーミル・プーチン首相が大統領に返り咲く、来年3月の大統領選の前までには行われるだろう。
加盟はメドベージェフからプーチン新大統領へのビッグな就任祝いになりそうだ。
(GlobalPost.com特約)