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イラン未成年の公開処刑で問われる人権感覚
スパイ罪のアメリカ人2人を釈放した日に17歳を公開処刑。国際協定違反と人権団体は猛反発
計算づく? 国連総会開始のタイミングで釈放されたアメリカ人のシェーン・バウアー(中央、9月21日) Jumana El-Heloueh-Reuters
イランで9月21日、人気スポーツ選手を殺害した罪で、10代のアリレザ・モラソルタニが公開処刑された。
イラン国営通信(IRNA)によれば、首都テヘランの西にあるカラジの犯行現場には、処刑を見るために多くの群衆が集まった。そこで17歳のモラソルタニの絞首刑が執行された。
当局は7月にルホラ・ダダシを刺殺したとしてモラソルタニに有罪判決を下し、彼は8月に死刑判決を受けた。
人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは当局に処刑を中止するよう求めていた。同団体はモラソルタニの行為が交通事故をめぐる喧嘩での正当防衛だったと言う。
「未成年の犯則者を処刑するのは、イランが署名している国際協定で厳しく禁じられている」と、同団体のハッシバ・ハジ・サラウィはAFP通信に語っている。
検察側は、太陽暦に従えばモラソルタニは18歳に達しており、処刑の対象になる年齢だと主張している。
イランでは今年、203件の処刑が行われ、人権団体からの非難が続いている。
一方で、イランは21日に、国内で逮捕されスパイ罪で有罪判決を受けていたアメリカ人、シェーン・バウアーとジョシュ・ファタルの2人を釈放した。
アメリカの高官がCNNに語ったところでは、2人は釈放後直ぐにオマーン政府高官に身柄を引き渡された。2人の家族はオマーンにおり、アメリカに送還される前に健康診断を受けることになっているという。