帰ってきたソマリア飢饉、驚愕の死亡率
支援物資がテロ組織に渡ると訴追される
アルシャバブの支配下にあるせいで飢饉地域へのアクセスが難しいのは事実だが、ボーデンに言わせれば「ソマリアへの人道支援は困難だが、不可能ではない」。国連はアルシャバブの下部組織との「対話」を続けており、国連世界食糧計画(WFP)をはじめとする国際的な支援団体の安全が確保されることを期待しているという。
アルシャバブはアメリカからテロ組織に指定されており、アメリカの法律では、提供した食料や医薬品がアルシャバブの手に渡ってしまった救援組織は、テロ組織を支援した容疑で訴追される可能性がある。ソマリアにおけるWFPの活動に対するアメリカの支援がこの数年、激減したのはそのためだ。
ソマリアに潜伏するアルシャバブやアルカイダの指導者を狙った米軍のミサイル攻撃や暗殺作戦も、救援活動の広がりを妨げる要因だ。「(アルシャバブへの攻撃は)人道支援団体の意図に対する疑念をかき立て、現地へのアクセスに影響を及ぼすかもしれない」と、ボーデンは言う。「過去にも、ミサイル攻撃が人道支援の足を引っ張ることがあった。大きな懸念材料だ」