IMFセックス疑惑のメイドが独占激白
【第3回】発情したチンパンジー
性的暴行、強姦未遂、そのほかの関連起訴事実について、ストロスカーンは無罪を主張した。その一方で、彼の支持者たちはディアロの証言や評判、生い立ち、交友関係などについて攻撃してきた。だがそれを言うなら、ストロスカーンの過去もかなり怪しい。
2008年、ストロスカーンはIMFの部下との不倫を認めた。当時、この一件を調査した担当者に対しては「個人的な過ちであり仕事上の過ち」だったと話した。
今月には若いフランス人ジャーナリストで小説家のトリスターヌ・バノンが、パリでストロスカーンを訴えた。03年に彼を取材した際、性的暴行を受けたと主張している。
彼女は07年に出演したテレビ番組で、ストロスカーンが彼女の後を「発情したチンパンジー」みたいに追い回した、と話した。その説明は、ストロスカーンが性的快感の絶頂では完全に理性を失って見えた、と語るディアロの証言とも共通している。
バノンの母アン・マンスレは野心的な政治家で、仏社会党内で時にストロスカーンのライバルと言われるような人物。そのマンスレまでが最近、ストロスカーンと2000年に性的関係をもったと発言した。合意の上だったが「暴力的な」セックスだったという。
パリからワシントン、ニューヨークに至るまで、ストロスカーンの知人たちが交わす話題といえば、彼のご乱行ぶりだった。あるフランスの雑誌は、「ジキルとハイド」を文字って彼を「ストロスとカーン」と呼んでいるほどだ。彼は同時に、魅力的で誘惑的な人物としても評判だった。
【第1回】「男は私に襲いかかった」
【第2回】「私は嘘などついていない」
【最終回】へ続く