外交官にジンバブエ国営メディアの罠
どこを見ても意味ある改革の証拠は乏しい。中立の人権委員会も、09年以前の出来事を調査することはできないことになっている。08年の大統領選挙時には役人自ら暴力行為を働いたので、彼らがいちばん胸をなでおろしている。ムガベ大統領に仕える諜報担当者は00年に裁判で、MDCに属する2人の活動家を焼き殺したと指摘されたが、今も自由の身だ。
選挙はしても敗北は認めない
ジンバブエに来る多くの外交官はMDC指導者らに明るい印象を受けるが、後にその楽観的な見方を捨て去ることになる。反対にアメリカの特使たちはずっと懐疑的なままだ。
9月23日、訪米した超党派のジンバブエ代表団と会議を行った後、アフリカ担当の米国務次官補ジョニー・カーソンとアフリカ担当局長のミシェル・ギャビンは、草の根団体「ウィメン・オブ・ジンバブエ・アライズ」に対する最近の嫌がらせや、ムガベ支持者が憲法改正に関する討論集会を暴力で妨害したことを指摘して、「最近の政治的・人権的環境はまだ問題が多い」と語った。
制裁解除を求めるジンバブエの交渉担当者からの圧力対して、「私たちの制裁は定期的な見直し課程にある」と米高官は答えた。「ただ人権侵害や土地の強制収用、政治プロセスに参加する人々に対する脅迫が続く限り、制裁が解除される可能性はないだろう」
ジンバブエの代表団がワシントンに到着する1週間前、ムガベ政権で最も影響力のある閣僚の1人、ディディムス・ムタサは、与党のジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線はMDCのモーガン・ツァンギライ首相に国を統治させることは決してないと語った。「総選挙を行って彼がムガベに勝利するようなことがあっても、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線とジンバブエ国民はそれを受け入れない」と、ムタサは支持者に対して語った。
活動家たちは、こんな状態で楽観的になるのは難しいと指摘している。
(GlobalPost.com特約)