最新記事

メンタルヘルス

「食べることがやめられない」...心の病気に苦しむ母を救えなかった私の後悔

I Couldn’t Understand My Mom

2024年03月09日(土)11時35分
シェリー・ペイジ・ガイアー(看護師、ライター)

240213p59_MTN_02B.jpg

SHERRIE PAGE GUYER

母が患っていたのは、2013年にようやく精神疾患として認められた「むちゃ食い障害(BED)」だった。

アメリカには280万人の患者がいるらしいが、幸いにして今は治療薬がある。糖尿病に使われるオゼンピックと同じ成分の薬で、これを使えば絶望的な飢餓感から(ある程度まで)解放されるという。

その後、母は子宮癌を患い、64歳で在宅ホスピスケアを受けることになった。当然、体重は減る。母は喜び、肥満解消の会に行って「25キロ痩せました」の記念チャームをもらいたいと言い出した。

もう出かけるのは無理でしょ、と私は突き放した。でも今は後悔している。体重が減ったことのお祝いは母の最後の望みだった。それからすぐ、母は帰らぬ人となった。

食べた後にちゃんと満腹感を得られ、むちゃ食いしては後悔するという悪循環に陥らないで済んでいたら、母はきっと自分を愛し、受け入れて生きることができたはず。そうしたら、私との関係も違っていたよね、ママ。

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    「男性に守られるだけのヒロイン像」は絶滅?...韓ド…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 4

    韓国のキム・ジヨンに共感する、日本の佐藤裕子たち..…

  • 5

    「ショート丈」流行ファッションが腰痛の原因に...医…

  • 1

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 2

    タンポンに有害物質が含まれている...鉛やヒ素を研究…

  • 3

    「ショート丈」流行ファッションが腰痛の原因に...医…

  • 4

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 5

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ヨルダン皇太子一家の「グリーティングカード流出」…

  • 2

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 3

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 4

    キャサリン妃の「結婚前からの大変身」が話題に...「…

  • 5

    韓国Z世代の人気ラッパー、イ・ヨンジが語った「Small …

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:トランプ新政権ガイド

特集:トランプ新政権ガイド

2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?