最新記事

日本社会

妊娠して気づいたのは、「マタニティマーク」が全員に無視されることだった...

2023年07月01日(土)18時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
妊婦

CoffeeAndMilk-iStock

<急速な少子化に焦った政府はさまざまな対策を打ち出そうとしている。しかし、むしろ不安なことは、子どもを持ちたいという女性が「透明」になっている社会...>

少子化対策が叫ばれてはいるが、国が提示する政策や社会の未来に現実的な希望を持ちづらい。それでも子を持ちたいと願う者たちに優しい未来はあるのか...。

35歳、都会に生まれ育ち、仕事も軌道に乗っていた作家の小野美由紀さんは、妊娠出産を通じて、今までの自分には見えていなかった問題に気づきはじめる。新刊『わっしょい!妊婦』(CCCメディアハウス)より一部抜粋。

◇ ◇ ◇

総スルーされるマタニティマーク

たまげたことに、マタニティマークを付けて満員電車に乗っても、これが、まじでまったく総スルーなのである。

これまで電車の中やバスの中でマタニティマークを付けた人を見るたびに、私はせっせと席を譲ってきたのだが、いざ自分が付ける側になってみると、まるで私もマタニティマークも透明になってしまったように、誰にも席を譲られない。

妊婦は激怒した。

いや、確かに、妊娠初期はまだ腹も出ておらず見た目では分からないので仕方がなくもあるのだが、マークをつけて優先席の前に立っても誰にも譲られないなんて、さすがに社会、冷たくないか。

そう、ぷりぷりしながら夫に話すと、彼は大真面目な顔で「マタニティマークって何?」と言い出したので私はもんどり打った。 
 
「妊婦さんが付けてるの、見たことない?」

「そんなの小さすぎて、目に付かないし、そもそも電車の中で人のことなんてジロジロ見ないもん」

マタニティマークは認知されているのか問題

確かにこのマタニティマーク、同じ妊娠している女性じゃなきゃ気づかないくらいの慎ましさというか、マークの意味ないやろ! と叫びたくなる絵柄なのである。

展覧会
奈良国立博物館 特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」   鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=急落、ダウ1679ドル安 トランプ関

ワールド

関税に対する市場の反応、想定されていた=トランプ氏

ワールド

米「NATOに引き続きコミット」、加盟国は国防費大

ビジネス

NY外為市場=ドル対円・ユーロで6カ月ぶり安値、ト
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    石けんや歯磨き粉に含まれるトリクロサンの危険性──…

  • 5

    赤ちゃんの泣き声を無視できないのは「うるさいから…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    2つのドラマでも真実に迫れない、「キャンディ・モン…

  • 5

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「日本のハイジ」を通しスイスという国が受容されて…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    「なぜ隠さなければならないのか?」...リリー=ロー…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:引きこもるアメリカ

特集:引きこもるアメリカ

2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?