国境を越えた柴犬人気、しかし問題も
Celia Arnelas-iStock
<柴犬人気はドイツ、フランス、イギリス、アメリカなどでも根付いている。人気は安定し、ペット産業が栄え、獣医の仕事も充実してきたが......>
イギリスの有名なドッグショーで、柴犬絶賛
柴犬の人気が、ヨーロッパでも定着している。柴犬は日本語と同じで「Shiba Inu」と呼ばれ、先日、犬を飼っているドイツ人と話していたら、「いまは雑種だけれど、今度は絶対に日本の犬、Shiba Inuを飼いたい」と言っていた。
柴犬は、2013年にインターネット上で画像が大ブレイクし、柴犬がモチーフの暗号通貨も作られているが、品格があって賢く忠実で、何より愛らしくて、ペットとしてはそれ以前から注目されていた。
世界最初のケネルクラブ(血統書の発行、犬の飼育指導、ドッグショー開催などが業務の愛犬団体)であるイギリスのザ・ケネルクラブによると、イギリスの柴犬の出生登録数は1980年代後半から急増している。1985年のわずか5匹が、10年後の1995年には190匹に膨れ上がった。その後はゆるやかに増加し、2014年は219匹だった。
ザ・ケネルクラブでは、柴犬が大きな注目を浴びたことがある。同クラブが主催する100年以上の歴史を誇る世界最大級のドッグショー「クラフツ」でのことだ。イギリスのテレビ公開オーディション番組にちなんでタレント性の高い犬を称えようと、2012年に同ドックショーで「クラフツ・ファクター」コンテストを設けた。ビデオ選考後、本選がショー開催中に行われ、4匹の中で柴犬エリー(メス)が勝ち抜いた。
エリーが器用に歩いたり、太鼓をたたくパフォーマンスに会場からは歓声や拍手がわき、審査員の1人(キャスター兼犬のトレーニングや栄養指導家兼コラムニスト)は「とにかく、すごいです、この訓練はものすごく難しいですよ。こんなことができるなんて信じられないです」と興奮しながら絶賛した。