ホンジュラスのコーヒーは歓迎されても人間は追い返される──知られざるコーヒー危機
Root Cause
だが、コミュニティー全体に支援を行き届かせるのは容易ではない。「人々はごく最低限の助けを求めて役所にやってくる。子供を4〜5人抱えた母親が、食べ物がないと訴える姿を見るのは本当につらい」と、アヤラは言う。「だから多くの人がこの町を出ていった。家族全員で、あるいは子供たちだけで」。
3児の母マルタ・サンチェス(29)もその1人。彼女は2人の子を連れてアメリカに行こうとした。そのうちの1人は心臓に異常がある。
サンチェスと夫のロイ・アレクサンデル・ロペス(31)は長年、コーヒー生産で生計を立てていた。「私たちはコーヒー農園で出会った。11年前のことだった」、とサンチェスはほほ笑んだ。
それから10年以上たち、2人はコーヒー栽培をほぼ諦めざるを得なくなった。代わりに自宅で食料雑貨店を開業するために融資を受けた。
ケイリン(10)、サムエル(7)、ヘルソン(2)の3人の子供を抱え、生活は苦しかった。特に問題だったのはヘルソンの病気だった。「ここを出ていこうとしたのは、そのためだった」とサンチェスは言う。「あの子には薬と診察が必要だったから」
アメリカ入国を夢見て
夫婦は昨年夏、難民としての保護を求めてホンジュラスからアメリカに集団で向かう「キャラバン」の話を聞いた。
このニュースは後に世界中で大きく報道され、ドナルド・トランプ米大統領を激怒させたが、2人はヘルソンに治療を受けさせるチャンスと受け止めた。「急いで荷造りして出発することにした」と、サンチェスは言う。
夫とサムエルは留守番として残り、彼女は娘のケイリンと息子のヘルソンを連れてコルキンを出発した。不安はあったが、「強い思いがあれば恐怖は乗り越えられる」とサンチェスは言う。
彼女たちはキャラバンを追い掛け、無事に合流できたが、グアテマラに入国した直後、ヘルソンが発熱と咳に襲われた。最悪の事態を恐れたサンチェスは地元警察に助けを求め、病院の救急処置室に行かせてほしいと頼んだ。警察は、退院したらキャラバンに再合流できるように取り計らうと言ったそうだが、サンチェスは危険過ぎると判断して旅を続けるのを断念した。
今は息子のためにお金をためるしかない考えていると、サンチェスは言う。だが、店の経営はうまくいっていない。近くには似たような家族経営の店が何軒もある。
サンチェスは、もっと利益率の高い服や靴を売る店を始めたいと考えている。「ここではコーヒー農園以外に、できることはほとんどない」と、ロペスは付け加えた。「それも、ここ5年は厳しさを増している。コーヒー価格の下落は本当にきつい」
ヘルソンは最近、繰り返し発作に苦しむようになった。「コルキンにも保健所はあるが、看護師だけで医師がいない。薬もほとんどない」と、サンチェスは言う。しかも薬は高価で簡単に手に入らない。「アメリカで治療を受けることをずっと夢見てきた」
アメリカとの国境では無数のホンジュラス人家族が追い返されてきたが、コーヒーは大歓迎される。コルキンを含むコパン県産のコーヒーは、カフェ・アルーコのような輸出業者を通じてアメリカで幅広く販売されている。
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