ホンジュラスのコーヒーは歓迎されても人間は追い返される──知られざるコーヒー危機
Root Cause
8月に本誌が訪れたとき、ペレスの農園のコーヒーの木は、ほとんどがさび病に感染していた。「見てのとおり、どの木も葉が残っていない。悪い兆候だ」とペレスは言って、農園全体を見渡した。「だが、どうすることもできない。今年の収穫はごくわずかだろう」
通常なら、ペレスの農園は麻袋35個分のコーヒー豆を出荷できる。ところがさび病の影響でその数は4袋に激減。当然、収入も大幅に減った。これでは家族を養うのにも、1万レンビラ(約4万4000円)の借金を返済するにも「とても足りない」と、ペレスはため息をつく。
世界的な供給過剰で低迷
11年前に妻が都会に出ていって以来、ペレスは息子のホルマンと娘を男手ひとつで育ててきた。既に娘は家を出て、じきに子供が生まれるが、ぺレスは子供たちの将来が心配でならない。「借金を返済できるのか。息子は自分の家を建てたいと言っているし」。よその農園の仕事もしてきたが、収入は安定しない。
コルキンのマリア・ラステ ニア・アヤラ副町長は、ペレスら多くの零細コーヒー農家の窮状を嘆く。アヤラによると、この地域のコーヒー農園は2種類ある。1つは、日払い労働者を雇う大規模農園で、5〜6カ所ある。もう1つは、「数え切れないほどたくさんの」零細農園だ。
「コルキンの人口は約1万8000人。その大多数が小さな農園を持っている」と、アヤラは言う。その多くがさび菌の打撃を受けた。さらに「コーヒー豆の価格下落が追い打ちをかけた」。
世界のコーヒー需要は好調だが、コーヒー豆の価格は過去10年来、下落傾向が続いている。世界最大のコーヒー生産地であるブラジルで品種改良によって生産量が増加し、それが世界的な供給過剰を引き起こして価格を押し下げているのだ。
さらにホンジュラスでは、さび菌の流行が今後の見通しを悪化させている。「(価格下落とさび菌流行の)どちらかだけなら切り抜けられたかもしれない。だが両方やられては......。コーヒー豆はこの地域の最大の農作物の1つ。その生産が打撃を受ければ、人々の生活が直撃を受ける」と、アヤラは言う。
アボカドなど別の作物への生産転換を図るコーヒー農園もあるが、家族を養えるほどの収入にはつながっていない。アヤラによると、コルキンの町役場はさび菌に強い品種の導入を支援したり、計500人に食糧援助をしたりしている。若者に大工仕事や工芸などの職業訓練も行なっている。
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