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英国のママ6割がエクササイズに罪悪感、自由になる時間は1日1時間未満

2019年06月28日(金)15時30分
松丸さとみ

「エクササイズの時間を取るのは罪悪感を覚える」This Girl Can-YouTube

<イギリスで行われた調査によると、もっとエクササイズしたくても罪悪感でなかなかできずにいる母親が多い、という現状が明らかになった>

8割弱が「もっと体を動かしたい」

英国のママたちは、もっとエクササイズしたくても罪悪感でなかなかできず、代わりに家事や子育てに勤しむ──ママたちのこんな現状が、1000人以上を対象に行われた調査で明らかになった。自由に使える時間が毎日1時間もないというママも少なくなかった。

英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省傘下にある政府機関スポーツ・イングランドが調査会社オピニアムを通じて行なった調査で、対象となったのは、英インディペンデント紙によると6歳未満の子どもを持つママたち1006人。

「もっとエクササイズをしたい」という意見は、回答者の77%に上った。しかし全体の61%に達するママたちが、「エクササイズの時間を取るのは罪悪感を覚える」と回答。そのため、仕事以外の時間の使い方として、「エクササイズを優先する」と答えた人は17%にとどまった。他のママたちは、体を動かすことよりも家族との時間や、料理などの家事、子育てを優先しているという。

時間とお金をかけずに「お家トレーニング」

自分のために使える時間が1日1時間にも満たないと答えたママは全体の30%に達し、思うようにエクササイズができない原因には、罪悪感の他に「時間がないこと」もあることがうかがえた。また、エクササイズをなかなかできない理由として、「お金がかかるから」と答えたママも21%いた。確かに、運動するには時間も必要だが、ジムに通ったり道具を用意したりといったコスト面も無視できない。

スポーツ・イングランドが展開している女性のスポーツを推奨するキャンペーン「This Girl Can」ではそんなママのために、自宅で家具を使ってできるトレーニングの動画を公開しており、公園で、階段でなど、お金をかけずにできるエクササイズも紹介している。道具がいらない自重トレーニング法で男性に人気の「プリズナートレーニング」というものがあるが、その「ママ版」といったイメージだろうか。

「This Girl Can」から

また、子どもを学校まで送り迎えする行為は英国で「スクール・ラン」と呼ばれているが(通常は車で行う)、これをそのまま文字通り「走って送り迎えしよう」といったアイデアも掲載されている。ちなみに米国では、ママさんランナーが赤ちゃんをベビーカーに入れてランニングをする「バギーラン」が一般的になってきており、米ランニング雑誌ランナーズ・ワールド(電子版)では、そのために最適なバギーの特集を組んで紹介するなどしている。

スポーツ・イングランドのリサ・オキーフ氏は、今回の調査結果について次のように述べている。「ママたちが、体を動かすことを優先してもいいんだ、と感じられるようにするために、励ましたり手伝ったりなど、パパやパートナー、家族、友達などすべての人に果たすべき役割がある」。

英国のインフルエンサーであり自身も母親であるナタリー・リー氏もまた、「エクササイズすると、ストレスが軽減されて心が健康になる。エクササイズのおかげでより良い人間になれる」と話し、「自分の健康を優先することは家族のためにもなる」とエクササイズの大切さを訴えている。

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