最新記事

インタビュー

市原えつこが今までにない「祭り」に挑戦──気鋭のアーティストに喝を入れた1冊の本とは

2019年03月11日(月)17時20分
今井順梨

巫女の衣装は、自分なりの覚悟のあらわれ

市原さんは現在、作品発表の場では巫女の装束を着ている。それはコスプレではなく、「死をテーマにした者の覚悟」だと説明する。


昔は気にしてなかったんですけど、アーティストの先輩のジュリ・ワタイさんというフォトグラファーが「作者も作品の一部としてプレゼンテーションした方が世界観が伝わる」と仰っているのを聞いて、「なるほど!」と思ったんです。あとはやっぱり人間の死に関わるには、それなりの覚悟を持って人前に出たほうがいいなと。だって生や死を語るのに、フードパーカー姿では違和感がありますよね(笑)。だから以前はネット通販で買った巫女コスプレ用の衣装を着ていたのですが、今のものは京都の着物屋さんから買いました。最近はアクセサリーも、巫女装束に合うかどうかで選んでいます(笑)。

新たな祭りは、年内中に都内のどこかで発表する予定だ。


屋外でやるとなると12月は寒いじゃないですか。なので遅くとも11月上旬にはやらないとと思っています。そのために春ごろから、クラウドファンディングを始める予定です。日本の祭りって地域の人が寄付をすると提灯に名前が入るとか、お金を払うとコミットしていくものですよね。だからお金を潤滑油にして、祭りを国内外に広げていけないかと考えているんです。それにクラウドファンディングでお金を頂いたら、もう後にはひけない。お金を頂くことは、絶対に成功させないといけないと自分を追い込む手段にもなると思います(笑)。

ローカル性はありつつも世界中から参加でき、御神体もテクノロジーを駆使したものにしたいと考えていると語る。迷いがなくなった市原さんが生み出す「祭り」を、楽しみに待つことにしたい。


『アイデアのつくり方』
 ジェームズ・W・ヤング 著
 今井茂雄 訳
 竹内 均 解説
 CCCメディアハウス

【参考記事】アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」とヤングは言った

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    K-POPアイドルがファンを応援? ニュージーンズら極…

  • 4

    激変で「誰?」と言われたマドンナ、手術の腫れが引…

  • 5

    「ポリコレ」ディズニーに猛反発...保守派が制作する…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…

  • 3

    K-POPアイドルがファンを応援? ニュージーンズら極…

  • 4

    「日本型ウェルネス市場」の可能性...少子高齢化が進…

  • 5

    キャサリン妃が率いた「家族のオーラ」が話題に...主…

  • 1

    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていた…

  • 2

    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…

  • 3

    メーガン妃の支持率がさらに低下...「イギリス王室で…

  • 4

    キャサリン妃が率いた「家族のオーラ」が話題に...主…

  • 5

    観光地化するチェルノブイリで自撮り 時の止まった…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:アサド政権崩壊

特集:アサド政権崩壊

2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか