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確実に妊娠したい女性たちへ――精度の高いタンポン型基礎体温計に期待集まる 

2018年07月27日(金)11時30分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

2人の子どもをもつ女性が開発

Trackleのアイデアは、ドイツのカトリン・ロイターさんの個人的な経験から生まれた。スタートアップを応援するFACTORY TVでのインタビューによると、ロイターさんは、何年も常用していた避妊ピルをやめて性交すればすぐに妊娠できると思っていた。しかし簡単には妊娠できず、基礎体温計で体温を測る妊活を経て妊娠した。

2人目の子どもが欲しいと思ったとき、また基礎体温計で毎朝体温を測ることが面倒に感じて、もっと簡単に基礎体温がわかるような器具がないものかと探した。しかし当時はTrackleのような商品がなかった。その後ロイターさんは2人目も妊娠・出産したが、たくさんの女性が自分と同じ不自由を経験しているはずだと考え、自分で作ってみようと、2015年末に夫とともに起業した。

最初は家族や友人たちから資金援助をしてもらい、2017年春にクラウドファンディングで目標額5万ユーロを集めることに成功して、研究・試作を続けてきた。

ドイツで、どれくらいの人たちが不妊に悩んでいるのかは正確にはわからないが、140万人の男女が不妊だと主張するサイトや、150万~200万人だというサイトもあり、相当な数であることは間違いない。

とりわけ、子どもを望むキャリアウーマンにとって、いつ産むか、何人産むかは重要なテーマだろう。Trackleを使って本当に計画的に妊娠できるとしたら、嬉しい知らせだ。使用者からのフィードバックが待たれる。


s-iwasawa01.jpg[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」理事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com

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