最新記事

ヘルス

確実に妊娠したい女性たちへ――精度の高いタンポン型基礎体温計に期待集まる 

2018年07月27日(金)11時30分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

タンポン型基礎体温計Trackle(日本未発売) 公式ウェブサイトより

洋の東西を問わず、子どもを持ちたい多くの女性たちは、毎朝、基礎体温計で体温を測って記録し、自分の排卵期(妊娠可能な時期)を把握してチャンスを狙っている。でも、基礎体温計だけで確実に排卵期を予測するのは簡単ではなく、自分が思い描いたプラン通りにいくとは限らない。そういった女性たちのために、2018年7月、なんと98%の確率で排卵期を知らせてくれる基礎体温計のオンライン発売が始まった。

まるでタンポン! 毎晩、膣に入れて、翌朝に取り出す

医療用シリコンに包まれた基礎体温計「Trackle(トラックル)」(価格199ユーロ:約2万6000円)は、丸く細長い形状で、膣に挿入して使う。寝る前に挿入して、翌朝起きたら膣から取り出し、水で洗ってから保管ケースに置く。すると、データがスマートフォンに送信される。Trackleをケースに入れない限りデータは送られないし、データは暗号化して送信されるのでセキュリティは万全、誰かに知られる心配はないという。

basis-trackle-180726-02.jpg
日本未発売のTrackle 公式ウェブサイトより

Trackleにはタンポンに付いているような紐はない。取り出しに不安を抱くかもしれないが心配無用。片方の端の両面がへこんでいて、指でしっかりとつまめる。開発・発売元のTrackle社(ドイツ・ボン)では、発売前に女性たちが試してまったく問題なく取り出せたと自信をもっている。

スマホには、いま妊娠可能かそうでないか、そして次の排卵と次の月経(生理)予定が表示される。データを見るだけでなく、自分で入力も必要だ。実際の月経期間を入力し、できるならば子宮頚管粘液の状態や子宮頸部の位置の情報も入れると一層いい。熱を伴う病気になったとか治療薬を服用中などといった情報も入力すれば、その期間の基礎体温はデータから外されるので、より正確な予測ができる。

医療機器として認められた

膣に挿入するというのは奇抜な発想だ。ヨーロッパでは、同じように、寝ている間に基礎体温を測ってくれる基礎体温計「Ava(アバ)」(価格249フラン:約2万8000円、1年保証)が2016年に発売されて話題を呼んでいる。こちらは、腕にはめるタイプで、やはり毎朝データがスマホに転送され、89%の正確さで排卵期を教えてくれる。Avaの精度も高いが、膣内での計測は、より正確な深部体温を得られるため、98%という高い精度が得られるのだ。

Trackleは、月経期間中は使う必要はない(排卵がずれて早くはじまることもあるので、その場合は、月経の4日目や5日目からTrackleを使ってもよい)。月経がとても不規則な人は、Trackleのデータをもって医師に相談してほしいとのこと。母乳育児中で次の妊娠を希望するときは、月経が再び始まってからTrackleを使うことをすすめている。また、センサーは2年使ったら取り替えなくてはならない。

Trackleは医療機器として認証されているが、日本ではまだ認可されていないので、現在、販売・発送はヨーロッパ内に限られている。同社に問い合わせたところ、今まではPR活動をドイツ語圏に限定してきたため、7月下旬の時点での購入者はドイツ、スイス、オーストリア在住者だという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、日本人の短期ビザ免除を再開 林官房長官「交流

ビジネス

独GDP改定値、第3四半期は前期比+0.1% 速報

ビジネス

独総合PMI、11月は2月以来の低水準 サービスが

ビジネス

仏総合PMI、11月は44.8に低下 新規受注が大
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…

  • 4

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 5

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること