最新記事

経営

米郵政、復活の切り札は自動ジャンクメール

宛名や住所がわからなくても郵便番号だけでDMの「絨毯爆撃」ができるシステムを企業向けに開発したが、1つ問題が

2012年6月8日(金)14時31分
サマンサ・スタインバーン

まさに妙案 膨大な紙の無駄はご愛嬌? Andrew Harrer-Bloomberg/Getty Images

 郵便利用の激減から収入が減り、前年度には51億ドルの赤字を計上した米郵政公社(USPS)。破綻を免れるための解決策として、全米の郵便受けをダイレクトメール(DM)などの不要郵便物であふれさせるという「妙案」を思い付いたようだ。

 USPSが大々的な宣伝キャンペーンに乗り出しているオンラインツールの名は「エブリドア・ダイレクトメール」。中小企業がもっと「ジャンクメール」を送るようになることを期待して発案されたサービスだ。

 これを使えば、宛名や住所を記載しなくても、特定の地域や郵便番号の顧客にDMを送ることができる。企業がこれを利用してくれれば、USPSにとっては配達する郵便物が、ひいては収益が増えるというわけだ。

 企業側も料金別納郵便の申請をする手間が省ける。料金も、これまでの1通当たり45セントの切手代よりずっと安く、1通14・5セントで1日に最大5000通ものDMを送ることができる。

 USPSはこの新サービスで今年度約8億ドルの売り上げを見込んでいる。ポール・ボーゲル社長によれば、「16年頃には10億ドルぐらいの売り上げになる」らしい。でも、それってものすごい紙の無駄遣いでは?

From GlobalPost.com

[2012年4月 4日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インテル、関税で第2四半期見通しさえず TSMCと

ワールド

北朝鮮、仮想通貨開発者狙い米国に企業設立 マルウエ

ワールド

米韓、関税撤廃目指した協定作成で合意=韓国代表団

ビジネス

東京コアCPI、4月は値上げラッシュで+3.4%に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 2
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考えるのはなぜか
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航…
  • 5
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 8
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 9
    欧州をなじった口でインドを絶賛...バンスの頭には中…
  • 10
    「地球外生命体の最強証拠」? 惑星K2-18bで発見「生…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中